トップに聞く97外食・飲食業界の予測と戦略 麺食・中原 明社長
(1)ここ数年来低価格志向が叫ばれてきているが、安くても中身が伴っていれば結構なことだ。だが、「安かろうまずかろう」では外食事業の次元ではない。低価格志向はこれからも続くだろうし、それが普通のこととなるだろうが、しかし、単に安いというだけでは客に支持されないに違いない。
外食事業のプロとして認識しなければならないことは、自己の都合ではなく、店の立地、商品、量、価格にしても客の立場、欲求に立って考えなければならないということだ。それによって熾烈な競争に勝ち残って、企業として存続できると考える。
(2)わが社は喜多方ラーメン坂内「小法師」のチェーンブランドで店舗展開しているが、現在この出店数は直営六店、FC四三店の計四九店。店舗数は着実に増えており、FCは良い物件が見つかるまで順番待ちという状況だ。
店舗に集客力があるからだが、これは「おいしさ」「メニュー構成」「価格」などの面で、客に支持されているからだと確信している。
これからも消費者、また加盟店の信頼を裏切らないよう良い商品(メニュー)を提供し続けられるよう、チャレンジしていきたい。
(3)「商品の質」「適正価格」。市場の成熟度はさらに進むことになる。つまり、消費者の選択眼がシビアになるということ。このキーワードはそれに対応した考え方。
(4)わが社はFC展開での飲食ビジネスだが、数値計画は立てない方針でやっている。加盟料や食材販売目当ての“開店屋”ではないからだ。FCビジネスは消費者と加盟店に信頼と責任を負わなければならない。着実に成功する店づくりを考え、安易な出店を自らが戒めているということだ。
一店舗当たり年間一億円の売上げ。数字でみても、わが社の店舗展開にウソがないことが理解してもらえるはずだ。