地域ルポ 亀戸(東京・江東) 昔風の飲屋街、和風FFが混在

1997.03.03 122号 8面

街は江東区の北端にあって、墨田区の文花、立花と接する。JRの一日当たりの乗降者数は一二万人。東武亀戸線も乗り入れているので、この乗降者数が四万人。単純に計算すれば、一日当たり一六万人が住来するということになる。街は亀戸一丁目から九丁目まであり、世帯数は一万九三二〇世帯、人口は四万二五〇〇人(今年1月1日現在)。一世帯平均二・二人。古い下町だけに、この街も世帯者の高齢化と核家族化が進んでいる。街の商業施設は、駅西側を南北に貫く明治通り沿いを軸にして東西に広がっており、飲食店舗は通りの裏手に昔のヤミ市をイメージさせる狭隘な飲み屋街、駅周辺の表通りには明るいファストフード系のチェーン、喫茶、レストランなどが多く展開する。

駅改札口(JR)を北側に出る。広いバスターミナルになっており、このバスターミナルを東西に分断する形で、南北に明治通りが伸びる。

明治通りを北へ進めば蔵前橋通りに接し、南へ歩けば京葉道路(国道一四号線)とクロスする。地域の商業施設は明治通りを軸にして、これら幹線道路沿いや東西の裏通りに集積する。

大型の商業施設は、駅ビルのエルナードとそれに隣接する十字屋、近接地の亀戸中央通商店街に立地する食品スーパーのマルエツくらいだが、住宅街と混在する形で商業集積が進んできているので、住民の消費行動は下町らしい気取りのない雰囲気を漂わせている。

しかし、街は雑然としており、商店の多くは老朽化しているという印象だ。とくに裏通りの商店街や飲み屋街を行けば、そういった印象を深めるが、だが多くは、地域住民になじんだ店構えで、昭和30~40年ごろの懐かしい日本の“原風景”を彷彿させる。

飲食施設は、まず前記のエルナードの六階にレストラン街があり、天ぷら「つな八」、和食「味乃宮川」、洋食「ビッグシェフ」、中国四川料理「銀座飯店」、喫茶・パーラー「銀座トリコロール」など和・洋・中、喫茶、軽食など一五店舗を展開し、ビルイン施設として地域最大の飲食ゾーンを形成している。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら