名古屋版 食品メーカー人気の直営店(2)香味ビール「ブラウハウス藤ヶ丘」

1997.04.21 125号 19面

名古屋市内の地ビールレストランは現在三店舗。一般的に、地ビールレストランの経営母体はさまざまな業種が参入しているが、名古屋ではすべて食品メーカー直営である。二店は日本酒メーカーの小西酒造(株)と盛田(株)。今回は、もう一店のコーミ(株)(名古屋市東区、電話052・931・2471)直営の「ブラウハウス藤ケ丘」へうかがった。

コーミ(株)はウスターソース類、ケチャップ、農産加工缶詰、野菜系飲料などを手がける有力メーカー。

醸造工場と切り離せない地ビールは、住居地域につくるのは難しいと考えた同社。おしゃれな新興商業地として注目されている「藤ケ丘」を選んだ。たまたま一歩先に小西酒造が「グランプラス」をオープンさせたが、コンセプトが異なるためかえって相乗効果をあげている(後藤明人氏、営業企画課課長)。

また開放的で斬新な店づくりが、新しい街、藤ケ丘にマッチした。醸造するビールはヨーロッパ系六種類で、常時そのうちの三、四種類を提供。同社がつくるこいくちソースが名古屋特有の食文化にマッチしたように、「香味ビールを“生粋の名古屋生まれ”の地ビールとして育てたい」(後藤氏)としている。

料理は、素材を生かしたイタリア風創作メニューが主。人気は、イタリア直輸入の石がまで焼き上げる「具だくさんの四季のピッツァ」(一五〇〇円)、じっくり煮込んだ豚バラ肉「バラ喰うだ!」(八〇〇円)、「サーモンの薄切りとポテトのバターソース」(八〇〇円)。

店内はオープンテラス風。春には桜並木に面した大きな窓から花見気分を満喫、四季の移り変わりが楽しめる。お客さんは七対三で圧倒的に女性が多く、週末には三回転する盛況ぶり。二階の一部をウエーティングルームとして開放するほど。将来的には外販も手がける計画。

▽平均単価=二七〇〇円(ランチ含めて)▽店舗面積=七〇三平方メートル▽客席数=一階一六二席、二階四六席▽年間醸造能力=二〇〇リットル▽年間予想売上高=約三億五〇〇〇万円

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