ヤッホーブルーイング、「よなよなエール」の全国発売へ
(株)ヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町、0267・66・1231)は7月7日、本格的缶入り地ビール「よなよなエール」(アルコール分五%)の全国発売を開始した。
香りの高いカスケードホップを使用した上面発酵製法のエールビールで、ナチュラルカーボネーション(自然発泡製法)を採用することにより、独特のコクと香りに仕上げ、大手メーカーのビールとの違いを打ち出している。
開発の経緯・販売戦略について、同社星野佳路社長は「日本でもビールの味の中にバラエティーを提供したいという考えのもと、いわゆるナショナルビールとは違う、香り高いカスケードホップを使ったエールビールを販売することとなった。『地域を離れた地ビール』を実現するために、賞味期限三ヵ月を実現、問屋・小売など流通の協力も得て、一缶二四八円という大手ビール並みの価格に抑えることにも成功した。味にこだわりを持つビール通をターゲットに『毎日飲んでもらえるビール』を目指し、全国展開を図っていく」と語った。
当初は長野県・首都圏・中部・近畿地方の酒販店などで販売され、要望に応じて順次販売網を全国に拡大していく。商品流通に関しては、長野県内では長野県酒販が、首都圏では(株)小網、升喜(株)が取り扱う。
同社では、既に長野県内でのTVCFを開始、今後も山手線・信越本線での交通広告をはじめ、インターネットや雑誌なども広く活用していく。年間目標製造数量は二〇〇〇キロリットル、初年度は一〇〇〇キロリットルを見込んでいる。総投資額は、土地・建物・製造・缶ラインを含めて八億円。
現在日本には、一三〇社を超える地ビール醸造場があるが、今回のように安価で広く外販をする「地ビール」はこれまでみられなかった。地域の村興しや観光地向けといった人集めの要素が強かったこれまでの地ビールとは違った「新しい地ビール」を目標としているだけに今後の展開が注目される。
▽アルコール分=約五%▽容量・容器=三五〇ミリリットル缶二四八円、一九リットル樽一二〇〇〇円(ともに税別)▽発売地域=首都圏・中部・近畿地方の酒販店、全国への通信販売