シリーズ・売れる惣菜 韓国の夏料理 ヘルシースープで酷暑克服

1997.08.04 132号 23面

韓国は大陸的な気候の影響で夏暑く冬寒い。特に夏場の三伏の期節(初伏、中伏、末伏)は暑さのピークとなる。この暑さを乗り切るために、いろいろのスープが作られる。この代表に狗醤と呼ばれる犬の肉スープが食べられていた。ソウル・オリンピックを機に止められ、牛肉や鶏肉スープが代用されている。

韓国はスープのおいしい国で、ヘルシーな夏スープが多くみられる。

●辛みスープ=材料は牛すね肉、ゼンマイ、大豆モヤシ、乾椎茸、ニラ、長ネギ、もち(トック)、ごま油、粉唐辛子など。

実だくさんであるが意外とさっぱり、夏の暑い日に食べられるこの辛いスープは、暑さも吹き飛ぶ思い。舌触りの良いもちが良く合う。

●冷やしスープ=ワカメ、ショウガ、キュウリ、ニンニク、粉唐辛子、酢、いりごまなど。ショウガは千切り、ニンニクはすりつぶす。

材料にショウガ、ニンニク、醤油、酢、いりごまを良くあえ、食べる直前に冷やした水を加え、氷を浮かす。食欲のなくなる夏場には最適のスープといえよう。

●蔘鶏湯(サンゲタン)=高麗人参、ナツメ、クリ、もち米などが入った薬膳スープである。実力があり、発情前のひな鶏が一羽分入る。時に烏骨鶏が使われる場合もある。盛夏に熱々の蔘鶏湯を食べるのが正式。食べ終わって滝の汗をかき、暑さを吹き飛ばす。

●冷麺=日本では夏の食べ物として人気が高いが、正しくは冬場の食べ物。酷寒に暑いオンドルの中に入って食べる冷麺は最高の味となる。生活文化の差である。しかし最近では厳冬に蔘鶏湯、酷暑に冷麺を食べる姿も見られるようになった。

●片水(ピョンズ)=日本にも取り入れたいメニューの一つ。冷やして食べる夏場用の韓国ギョウザ。

ギョウザの皮を利用して、牛肉の細切りと、椎茸の細切りを炒め、塩、コショウで味を調える。モヤシは塩ゆでにして水を切る。

材料を合わせて、皮の中央に置き、対角を合わせるようにして包む。

たっぷりの湯でゆで、浮き上がってきたらすくって冷水にとる。器に片水をとり、冷たいスープを入れて供する。あるいは、片水の上にたれの調味料を合わせて添える。

食卓に涼風を呼ぶ冷たいギョウザである。

●呉汁のひやむぎ=青豆で作る呉汁は、見た目も美しく栄養の点でも優れている。

豆を洗い三時間以上水につけてよく戻し、ふたをして火にかけ、七~八分間ゆでて火を止めて蒸らす。これを水にとり、ミキサーにかけて目の細かい網でこし、塩味をつけてよく冷やしておく。

小エビは背わたをとり、塩ゆでしておく。

ひやむぎをゆでて水にとり、水気を切り器に盛り、冷えた呉汁をかけ、エビを飾る。

●お盆そうめん=お盆の上に麺と具を盛り合わせるところからこの名前が生まれた。

そうめんをゆでて盆の上に少しずつまとめておく。この上にアサツキの小口切りと糸唐辛子を飾る。

脇にリンゴを薄くくし形に切り、卵は黄身と白身に分けて薄焼きして短冊切りに。牛肉は肩ロースを調味料をつけ、焼いて短冊切りに。日本のそうめんよりも豪華である。

●鶏粥=夏負けの子どもや年寄りに向く食事。鍋にごま油を敷き、つぶしたニンニクを入れて炒める。骨付き鶏肉を炒め、コメを入れ、色が変わるまで炒めてから煮立て、かゆを作る。栄養満点。

日本にない夏料理が多く、研究の価値がある。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら