料理人私の健康法(1)「揚子江」料理長・海老名功さん 早朝散歩とゴルフ
二〇人の厨房スタッフをかかえる「揚子江」の料理長として、また料理人、経営者の会である「一球会」会長としても活躍する海老名功料理長。子供のころから好きな野球から足を洗えず、料理人仲間の早朝野球に参加したり、息子を交えた少年野球のコーチとしても大活躍、なくてはならない存在だった。
ところが、ゴルフ仲間との付き合いが増え、公私ともに忙しい毎日のため次第に野球から遠ざかっていた。
「四〇の声を聞いた途端、今までと何かが違うと感じたんです」
何が変化したかと言えば、集中力の持続時間が短くなったこと。鍋を振った後、姿勢を変えると体を支えている屋台骨がボキボキ鳴るなどの症状を自覚する。これを機に一念発起、つや子夫人が長年続けている早朝散歩に付き合うことにした。
「その時の気分で行ったり行かなかったりするが、今や行かない時は、体が重くなるほど生活のリズムになっています。また、通りすがりの畑の野菜や野の花など自然との関わりを新しい発見として楽しんでいますよ」
忙しい身ながら、以前にも増して夫婦間のコミュニケーションが図れて、一挙両得の健康法となったようだ。
このほか、会長を務める「一球会」では、業種の違う料理人との交流により「困った時、例えば使い方のわからない食材があっても、電話一本で気軽に相談できる。こうした安心感は、なにものにもかえ難い」
ゴルフを介しての異業種交流が、肉体的・精神的健康に思わぬ功を奏している。
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<海老名功シェフのデータ>勤務先=中華料理「揚子江」(東京都豊島区東池袋一-四-五、電話03・3988・5613)料理長/生年月日=昭和29年11月30日、射手座/酒・たばこ=毎日飲む酒は焼酎が多く、お湯割りでボトル1/4。たばこはプリメーラ、おさえて一日四〇本/食事の嗜好=肉大好き人間だが、意識的に煮物、刺身などをとるようにしている。ゴルフのハンディは8。