料理人私の健康法(12)「ネプチューン」料理長・倉田栄示さん

1998.07.20 156号 23面

「張りつめた生活がきっと健康につながっているんでしょうね」と笑う倉田栄示料理長。田園風景を眺めながらボーッとしたいというが、この願望、一生口癖に終わりそうだ。

料理人になったからにはわが店をとの志を抱く。レストランでの修業中、勤務前の早朝、家具屋の運転手として働き、資金づくりをする。二足のわらじをはく生活がしばらくは続いた。

「家具を運び入れる家を眺めては、いつかはと歯を食いしばっていました」

こうした長年の念願がかない、今夏パリー祭前日の7月13日、東京・調布に「ラ・クイエット」(収穫の意)をオープン。

「めどとしては二〇代を考えていたんですが、三〇を一歳オーバーしてしまいました」と余裕の笑顔の中にも負けん気の強さ示す。

新店舗では、昼は女性、夜は近隣のビジネスマンをターゲットに手ごろな価格でボリュームアップしたものを出そう、パンは焼き立てを客の前で運ぶ演出をしよう、セットものにはコーヒーを付けず、近所のドトールの向こうを張って一五〇円で割安感を印象づけよう、などなど、構想は次々とわき上がる。

「四〇度の熱を出しても休んだことがありません。職場に出ると治るんですよ。仕事をすれば風邪なんて忘れてしまいます」

この意気込みが「信じられないでしょうが、孤軍奮闘し銀行から借り受けにこぎつけた」のかもしれない。これからますます多忙を極める生活が待ち受け、ホッとする時間は当分望めそうもないようだ。

〈くらた・えいじ〉シーフードレストラン「ネプチューン」料理長(東京都江東区東雲二‐一‐一七、Tel03・3529・0020)/生年月日=昭和42年8月8日、しし座/血液型=A型らしい/身長・体重=一六八センチメートル、七五キログラム/酒・たばこ=酒はぜんぜん飲めない。風邪をひくとなぜか飲む習慣がある。たばこはセブンスターを一日二箱弱。パソコンで書類作りの時、いつの間にか本数がいくという/家族構成=明子夫人、滉栄君、開成君。

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