冷凍パスタ FR、FFで本格展開 ドライに劣らぬ品質

1992.11.16 16号 23面

「業務用パスタの八割が冷凍になる」という説がある。イタリア料理専門店だけでなく、FRチェーン、喫茶店でのパスタメニュー化が進み、パスタメーカーは冷凍適正の高い麺を開発して需要の拡大を図っている。現在、冷凍パスタは業務用中心に、冷凍麺全体の約二〇%、六〇億円の市場を形成している。「パスタメニューは外食店にとって重要なポジションになっている。ところが、ゆであげの料理を提供するためにはドライパスタだと時間がかかり、また、コックの技術も求められる。その点、冷凍パスタを専用の解凍スチーマーで解凍すると、わずか一分で提供することができる。人手不足と料理の簡便化・スピード化に対応した商材だ」と冷凍パスタメーカーはPRする。

一般に、ドライパスタの一食分(一〇〇㌘)の原価は四〇~五〇円で、冷凍パスタはそれより若干高いが、調理の手間などを考慮すると冷凍パスタの方が“優れている”といえそうだ。メーカーでは技術開発を進め、ドライ製品に劣らないアルデンテのある冷凍パスタを生産しており、また、麺の種類もホウレン草、卵、トマトを練り込んだヌードルタイプのパスタやペンネなど多品種化しており、さまざまなメニューに対応できるようにしている。

あるメーカーでは「これまで冷凍パスタはスポーツ競技場のレストランやドライブインなどで展開してきたが、現在は大手のFRチェーンでも採用するようになっている。湯栓で解凍するところもあるが、今後はスチーマーの導入が進むだろう」と説明する。有力メーカーは冷凍パスタとスチーマー、パスタソースを組み合わせて“システム”として販売を進めている。日清製粉、日本製粉、カゴメである。

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