お店招待席 中国料理・海鮮料理「北京亭」(西池袋) 料理は全て素材から調理

1992.12.07 17号 4面

地上六階、地下一階の独立店舗。JR池袋駅西口から徒歩一、二分。昭和30年のオープンというから今年で満三七年になる。当時の西口はまだバラック建ての闇市が残るといった環境で、日中は砂ぼこりが立ち込める未開発の土地柄であった。

現在の西口は再開発が進んだおかげでメトロポリタンホテル、東京芸術劇場、西口公園広場、そして、今年6月10日、東武百貨店がリニューアルして日本一の売場面積を持つ百貨店(メトロポリタンプラザ)としてオープンし、西口は大きく生れ変った。

メトロポリタンプラザには商業ゾーンに加えて、多くのオフィスも入居しているほか、東武美術館などの都市・文化施設を集積しているので、街としての集客機能を大きく発揮している。

「やっと東口並みになって街が大きく活性化し、若者が多く来るようになった」と喜ぶのは北京亭創業者の山口啓仁氏。

北京亭は海鮮料理を主体とする中国料理(広東・上海料理)店である。創業当初は中国料理オンリーであったが、昭和40年ごろからビルをリニューアルして、現在では中国料理一~二階、三~五階、海鮮石鍋しゃぶ「李白」四階、ステーキハウス「ルイス」六階、活がに料理「かに浜」地下一階と四つの業態をミックスし、複合飲食施設としての機能を発揮している。

看板料理(業態)はもちろん中国料理だが、業態が競合することがないので、むしろ相乗効果を上げ、それぞれが独自の集客力を発揮している。

西口は以前からこれといった飲食施設が少なかったので、北京亭の複合施設の登場によって、地域来街者への貢献は大きく、このために北京亭の存在は地域でも有数のものとなっている。

「最近は劇場に来られたお客様とか、その関係者をはじめ大学(立教)関係、企業、病院、医師会、区役所(豊島区役所)関係、台湾などからの観光客とか、多種多様のお客様がおいでになります。とくに中国料理の場合は多人数で利用できますから、大勢で楽しく会食するのには一番です。安くておいしく、ボリュームも満点、これが北京亭のモットーであり、特色なんです」(北京亭オーナー山口氏)。

メニューは広東・上海料理を主体にして約一二〇アイテムを網羅しているが、多人数のためには本格的な宴会料理も用意している。

宴会料理は、一〇人単位で五万~一〇万円までのコースメニューがある。たとえば、五万円コースをみると、前菜の盛り合せ、ふかひれカニ入りスープ、季節野菜と海鮮二種の炒め、かに爪と巻揚げ、車エビのチリソース、帆立のクリーム煮又はウズラのたたきレタス包み、鯉の丸揚げ甘酢あんかけ、特製の炒麺、アンニンドーフなど九品を揃える豪華さ。十分にボリュームもある。一人当たりにすると五〇〇〇円の料理内容で、お値打感のあるコース料理といえる。

昼はランチメニューもあり、客単価は一一〇〇円、夜は同六~七〇〇〇円といったところだが、宴会料理は八〇〇〇~一万円と、さらに客単価は高くなる。

一品料理からコース料理まで予算や利用形態に応じて、多様なメニューを楽しむことができるということだが、北京亭が多様な客層に支持されるのにはもう一つの理由がある。

つまり、北京亭の料理はすべて素材から作り上げているということだ。加工品は一切使わない。すべて自前で調理加工している。食材の仕入れは中国の業者からと、ナマ物関係は築地から直接仕入れている。

やはり、いい材料を使っているのである。料理人は香港、台北から計四名のプロを中心に、ベテランを揃えている。年間売上げ約五億円、内六割が中国料理分野となっている。

〇所在地/東京都豊島区西池袋

一‐一六‐八

〇電話/03・3986・3131

〇営業時間/午前11時~午後10時、水曜日定休

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