ホロ酔いガイド ドイツワイン ブドウの品種と味の関係
ドイツワインはわが国の輸入ワインのなかではフランスに次ぐ二番目の位置にある馴染み深いワイン。ドイツワインはワインの生産国のなかでは、世界的にみて比較的北に寄った地域でブドウが栽培されているので、南フランスのワイン等と比べるとかなり味も違う。種類も赤ワインが少なくなって(ブドウ栽培面積の一二%程度)白ワインが多くなっている(同八八%)。
ワインの原料となる主なブドウの品種を挙げると次の通り。
《白ワイン用品種》 ①ミュラー・トゥルガウ
白ワイン用に栽培されている品種の中で最も多い品種。リースリングとシルヴァーナーの交配種で、この品質で作ったワインは花のような香・リースリングより柔らかい酸味、わずかなマスカットの風味がある。新しいうちに飲むのが最適である。
②リースリング
白ワイン用の品種の中では最も優れたもの。全耕作面積の二〇%を占め、よく知られている。晩熟性のため、この品種で作ったワインは果実香(アロマ)が豊かで、酸味があるが甘味と調和している。しっかりしたボディーで、長期熟成に耐える。
③シルヴァーナー
この品種で作ったワインは軽い酸味、豊かなこく、中性的な香り、新しいうちの方が旨い。
④ケルナー
赤ワイン用のトロリンガーとリースリングを交配したもの。この品種で作ったワインはほのかなマスカットの香り、独特の鋭い酸味がある。
《赤ワイン用品種》 ①シュベートブルグンダー
別名ピノ・ノワール。白ワイン用のリースリングに匹敵するレベルの品種。この品種で作ったワインは芳醇な香り、豊かなこく、力強さがあり、わずかにアーモンドの香りがある。
②ボルトギーザー
この品種で作ったワインは、豊かな風味・軽く柔らかい口当たりで飲み易い。
③トロリンガー
ラインの支流のネッカー川の流域ヴェルテムベルグ地方だけで栽培されている品種である。
この品種で作ったワインは、香り豊か、さわやかで豊かな味、快い酸味、果実の風味がある。