厨房と消毒用アルコール、手荒れも防ぎ簡便なエタノール
清潔な厨房を維持することは非常に困難なことであるがフードビジネスに携わる人にとっては、経営の根幹をなす問題である。そこで、営業中や大きな宴会の下準備をしている厨房内の繁忙時における衛生的な調理のあり方を考えてみよう。
飲食店は、食品衛生法における衛生措置のなかで、施設を清潔に保ち、食品や従事者などの衛生管理を決めている。しかし、行政は具体的な方法などを教えてくれない。本当にわれわれ厨房担当者が知りたい情報は、具体的なブランド名、簡易な使用法、安価で消毒効果が期待できる商品なのである。
例えば「どこどこのメーカーの消毒用アルコールを、このように使用すると、これだけ調理器具などがきれいになります」という具合い。しかし行政は常に公正であり公平だから、ブランド名までは言えないのである。
さて、清潔、経済的、そしてきれいな調理の技とは、お客様に不安のない黙認を得られる範囲のことである。これは企業のコンセプトにより施設、設備、食材、水、従業者などのグレードを決定する重要な経営議題である。
しかし現状、危険な状況にある厨房の改善、厨房の運営システムの対応策としては、安全で、簡易で、効果のある一法として、化学的殺菌法であるアルコール類がある。
消毒用アルコールは、細菌の菌体タン白質の変成や、脂質の溶解などの作用により殺菌するものである。
種類としてはエチルアルコール五〇~九〇%溶液と、イソプロビルアルコール三〇~七〇%がある。最近では、手荒れなどを防ぐ工夫がなされた消毒用エタノールが販売されてきて、厨房内でも使いやすくなってきている。
食品衛生コンサルタントの小生としては、ぜひ調理中の簡易消毒法として、まな板、包丁の刃と柄、手指、冷蔵庫の取っ手などは、少なくとも営業中二~三回程度の拭き取りを実行してもらいたいものだと常日頃指導している。
ついては、「アルコール特集」(本紙12月7日付6面)情報により知識を吸収し、読者などの有効活用を期待している。
食品衛生コンサルタント
藤 洋