飲食トレンド:これが次世代パスタ、新鮮なモチモチ感

1999.06.21 180号 1面

イタリアン人気でパスタメニューの増加に拍車がかかる中、“生パスタ”を看板とする特化型パスタレストランが現れ注目を集めている。東京・品川区の大崎ゲートシティプラザにこのほどオープンした「マーノ・マッジョ大崎」がそれ。次世代パスタをテーマに掲げ、今後、全国展開に乗り出す。

生パスタの製法は、うどんとほぼ同じ。粉は中力粉一〇〇%。これにオリーブオイル、塩、卵、水を加えてミキシング、小分けし、一昼夜寝かせてローリングプレスで板状に伸ばし包丁切りする。工程はすべて自動製麺機で行う。

こうしてできた生パスタは、乾パスタのプリプリ感に対し、モチモチとした日本人好みの食感で、コシはあるが軟らかく、年配客から大好評という。包丁切りによる角張った麺も、新鮮に映るらしい。

「従来、パスタのメニュー開発はソースのアレンジが決め手でしたが、生パスタは“パスタそのもの”を味わうもの。乾パスタのレベルアップと定番化にともない、生パスタは新メニュー開発(差別化)の必然性を持って登場した。もとより日本人は、うどん・そばのような軟らかい麺を好みます。次世代パスタのトレンドは、『手作り』『独創』『軟らか』の生パスタが有力でしょう」(石橋尚幸料理長)

オープンから半年を経過。四七坪・五八席で月商は一〇〇〇万円に達する。土・日・祝の集客が見込めないビジネス立地にあって、この数字は当初予想の二倍。客層は七対三で女性が多く、年齢層は狙い通りに老若均衡という。

同店は従業員の調理実習を兼ねた試験的位置づけで、このほど福岡にFFを併設した実質一号店を出店した。すでに広島、東京・お台場、町田、渋谷、名古屋での出店が決定済みだ。

生パスタブームの火付け役になるか見ものである。

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