おひつ型すしロボット「寿司職人・助人」=鈴茂器工

1999.08.16 185号 7面

鈴茂器工(株)(東京都新宿区、Tel03・3356・8914)は、お櫃(ひつ)型すしロボット「SSG‐GTA寿司職人‐助人(すけっと)」をこのほど新発売した。外観はシャリひつそのもので機械のイメージが全くないため、高級感も出せることから、対面販売、立ちずしに威力を発揮しそうだ。

すしロボットのユーザーである回転ずしチェーンは低価格を武器に伸びてきたが、客足が鈍っており、このすしロボット導入で高級感を出し、市場の活性化につながるものと思われる。

初年度は月五〇〇台のペースで年間六〇〇〇台の販売を見込んでいる。

今回発売する「助人」は、おひつ型の外観をしており、シャリ玉の作成もおひつの内側で行うため、まさに「職人」になったかのように作業できる。このため、厨房内での利用に限定されず、すし店、回転ずし、百貨店の食品売場、ホテル、旅館、イベント会場などあらゆるすしビジネスに対応できる。

特徴は‐‐。

(1)本体、ふたにウレタン発泡充填による断熱構造を採用。抜群の保温・保湿効果を発揮し人肌のシャリ玉を作る。

(2)特殊吸水マットによる結露制御機能で、内部の結露発生を防止する。

(3)使いやすさを重視した集中操作パネルを採用し、引出構造により操作パネルが本体に内蔵でき、シャリひつのイメージを損なわない。

(4)「やわらかモード」の採用でモード切替えにより一〇段階のやわらかさを設定できる。

(5)量目も一六~三〇gの広い設定範囲の中で一〇段階の量目設定ができる。

(6)シャリにやさしいスクリュー搬送によるシャリ供給機構を採用し、さらに垂直成形機構により、シャリに空洞を作る特殊技術PATでプロが絶賛する「職人」の握りを実現している。

すしロボットによってすしが大衆化し底辺は拡大したものの、「見た目がすしに見えれば、味には関係なく何でもすしのカテゴリーに入れてしまう。ビジネスだけが先行してしまっている」(同社鈴木喜作社長)とすしビジネスの現状を嘆き、「安くておいしいものを作るには努力・創意工夫が必要だ」と説いており、これまでの大量生産をするすしロボットとはひと味違った製品の販売で市場の活性化が図られそうだ。

新製品の概要は次の通り。

▽寸法=直径四四五ミリメートル丸形(ふた含む)、高さ三六〇ミリメートル▽電源=交流一〇〇V(五〇/六〇Hz共用)▽ホッパー容量=すしシャリ約二升▽重量=一二キログラム▽本体価格=一二〇万円

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