世界の味 インドネシア スパイス効いたスタミナ料理

1992.04.20 2号 19面

■米を中心にした料理献立

インドネシアは大小三〇〇〇以上の島からなっているので、日常の生活もさまざまである。八〇%まで回教徒であるので豚肉は食べない。この国の料理を一言で表現すれば、スパイスのきいたスタミナ料理といえる。野菜・果物・肉に恵まれ、魚も新鮮でバラエティに富む。

全インドネシアに共通しているのは米を主食としていることである。米を中心に料理献立が考えられる。ただ日本や中国とちがって箸を使わない。上流家庭ではオランダの影響を受けてナイフ・フォークで食事をとるが、右手で食べ物をつまんで食べる習慣も定着している。不浄な左手で食事をするのはタブーとされている。

食事の形態も朝食はバナナと、コーヒーとか、フレッシュジュースといった簡単なものであるが、昼食は一番のごちそうで主婦の腕のみせどころ。サンバルというトウガラシの薬味はインドネシア独特のものといえる。赤トウガラシ・玉ネギ・干しエビ・ニンニクなどをすりつぶしてヤシ油でいためたもの、魚も肉もサンバルで煮付け、スープの味付けもサンバルでという具合。サンバルが好きな人はインドネシア料理も大好きとなる。どうもインドネシア料理は香辛料がきき過ぎて、という向きもあるが、これはサンバルの使い方が多いからだ。事実インドネシア人は、あらゆる料理をごはんと一緒に食べてサンバルを楽しんでいるのである。

■豪華なリーストターフュル

独立後、もはやインドネシアで食べられなくなったが、世界一ともいわれる料理でリーストターフュルがある。現在ではオランダ本国で初めて味わうことができる、あらゆる料理をごはんと混ぜる方式で、ターフュルはごはん一杯に対して山海の珍味を数一〇程用意して好きなものをとって少しずつごはんと混ぜる。ターフュルを食べるのに最低三時間はかかるといわれるほどである。これに代わって現在はナシクニソレソカップ(香味焼きご飯とおかずの盛り合わせ)がある。

熱帯フルーツは共通して甘味が強く、芳香も強い。中にはマンゴスチンの如くさわやかな甘味と酸味を備えたものもみられる。果物好きな者にはまさにパラダイスともいえよう。

マレーシアでは中国料理を食べさせるレストランも多くみられる。

中国料理は広東や湖州の影響を受けたものである。海鮮料理に味わい深いものが多い。

観光地として有名なペンナでは、ラクサと呼ばれるマレーうどんがある。カレー味にタマリンドウを入れて酸味を強くしたものである。誠にカラフルでみているだけでも楽しい。

バナナの葉で包んだちまき、月餠そっくりの菓子、卵の殻に色つき寒天を流したもの、ココナッツをまぶしたケーキなど、味もよい。

その他のニョニャ料理では、オタオタやエビョウなど、オタオタは魚肉のミンチをココナッツミルクやスパイスですり身にしてバナナの葉で包み焼いたもの。エビョウは魚の浮き袋のスープで高菜も入って中国スタイルである。主食は米である。米は熱帯圏が原産であるからよく採れる。

マレーシアの味を楽しくするのは熱帯フルーツの数々。荷車で街角にみられるのも楽しい。そして値段も驚くほど安い。

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