これでいいのか辛口!チェーンストアにもの申す(44)「カプリチョーザ」

2000.07.03 207号 22面

イタリアンレストラン「カプリチョーザ」は、大繁盛の素晴らしいイタリアンレストランだった。それが最近、京都周辺を回ってみて、「何じゃこれは!」というひどい運営状態に遭遇し、大きな落胆を覚えた。やっぱり一〇〇店舗なんて展開し、管理優先になると本来あってはならないことも平気で行われ、いつか客が一人も来ない店になってゆく。チェーン店管理にすべきじゃないな~とつくづく思った次第をレポートしたい。

(株)W・D・Iのなかで、カプリチョーザがどれだけの店舗数なのか知らないが、おおよそ一〇〇店舗は超えているであろう。そのカプリチョーザの「OPA」京都河原町、カプリチョーザのFC店に寄ってみた。

ちょうど夕方の6時半ごろ、これから若者やペアの恋人たちが来店する時間である。入り口で不慣れなアルバイトらしき男性が、盛んに入店客に声をかけていた。

「お客様、お食事ですか? それとも喫茶ですか?」

初めは、それによってふさわしい席に案内するためだと思っていたが、実はまったくそうではなかった。

客「あの~、お茶だけなんですけれど…」

カプリチョーザ「お食事はなさいませんか?」

客「エエ、今食べてきたので、今度食事に来ようと思っているんですが…」

カプリチョーザ「うちはお食事のお客様優先で、お茶なら二階の『アフタヌーンティー』をご案内しています…」

客「そうですか。それじゃサラダだけでも良いですか…?」

カプリチョーザ「結構ですよ! お客様をご案内して下さい~」

客「…………」

カプリチョーザは五〇坪。未だ客は一〇人も入店していない。それでこれである。何とも情けなく寂しい思いにとらわれる。

先程「OPA」浜大津店のカプリチョーザで、ランチのスープとしてミートソースのように煮詰まったミネストローネを飲んできたばかりだったので、落胆はひとしおであった。

あれほど繁盛し、素晴らしいサービスで迎えてくれた、過日のカプリチョーザは、一体どこへ行ってしまったのであろうか…?

(仮面ライター)

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら