定番ヒット惣菜&弁当図解テクニック(4)煮物編
煮物は天然だしのきいた本格志向の商品が売れている。多少手間がかかっても、だしをしっかり取ると手間以上の評判を呼ぶ。おいしい煮物のポイントは次の通り。
(1)削った鰹節(業務用で可)と昆布で丹念にだしを取る。
(2)合わせ調味料を前もって作っておく(醤油、本みりん、砂糖を合わせ、びんに入れておく)。必要に応じてだしで割って使う。だしの割り具合で薄味、濃い味になる。味の差別化を図る場合は、干し椎茸の戻し汁や鶏肉を入れて炊く。
(3)他店と差別化する場合は「追いがつお」を入れる。本物の鰹節と昆布を袋に入れ、材料を煮立てている鍋に後から加える。本物のだしがさらにきいたおいしい煮物になる。
(4)煮物は落としぶたにふた(きせぶたという)をして煮ること。材料にひたひたの煮汁が少なくても、沸騰して煮汁が上がってきて全体に煮汁がまわり、むらなく味が付く(沸騰してきたら火は弱火)。
○ヒジキの煮物
●材料(一〇パック分)/乾燥ヒジキ(一五〇g)、ニンジン(三〇〇g)、油揚げ(三五〇g)、だし醤油(二〇〇g)、砂糖(一〇〇g)、本みりん(一〇〇g)、だし汁(一二〇〇㏄)、追いがつお(袋適量)
●作り方
(1)乾燥ヒジキは水で戻し、きれいに洗う。
(2)鍋に油を熱し、ヒジキを炒め、だし汁、だし醤油、砂糖、本みりんと合わせ、材料ひたひたまで鍋に加え入れ、落としぶた、ふた(きせぶた)をして煮る。
(3)追いがつおを加え、沸騰したら弱火にして三〇分くらい煮る。
(4)別鍋に油を熱し、ニンジン、油揚げを炒め、だし汁と合わせ調味料を入れて煮る(沸騰したら弱火に)。
(5)煮上がったヒジキ、ニンジン、油揚げを混ぜ合わせ、トレーに盛る(ニンジンと油揚げがヒジキの色に染まらずきれいに仕上がる)。
●応用のヒント
タケノコ煮、筑前煮、切り干し大根も同様に煮るとおいしく作れる。弁当などの副菜に活用するのもよい。
○煮豆
●材料(一〇パック分)/金時豆(一kg)、重曹(二g)、砂糖(八〇〇g)、塩(一〇g)、水(適量)
●作り方
(1)金時豆は水に一晩つける。
(2)鍋に金時豆と重曹を入れて火にかけ、弱火でゆっくり軟らかくなるまで煮る(重曹を加えて軟らかくするのがポイント)。
(3)金時豆が軟らかくなったら煮汁を八割方捨てる。
(4)鍋を中火にかけ、砂糖を分量の二分の一加え、砂糖が溶けるまで加熱する。
(5)砂糖が溶けたら火を止め、紙ぶた、ふたをし、三〇分間寝かせる。
(6)再度鍋を中火にかけ、残りの砂糖と塩を加え、砂糖が溶けるまで煮る。
(7)砂糖が溶けたら火から下ろし、紙ぶた、ふたをする(紙ぶたをしないと豆が空気に触れて黒く変色してしまう)。
●応用のヒント
弁当などの副菜に活用するのもよい。ほかの煮物とセットにして売るのも一法。一度にたくさん作って他店に卸すなりすると効率的。