最新エスニック食材講座(4) マンゴチャツネ 隠し味でも評価

1993.02.15 22号 19面

オレンジ色に完熟したマンゴの果実を、砂糖と唐辛子をベースにスパイスをブレンドして加えてジャム状に煮詰めたものです。

まず糖度の高くなった完熟マンゴの皮をむき、筋ばった大きな種子の回りの果肉をナイフで削り取ります。砂糖水を用意した中へ一夜漬け込んで糖度を浸透させたところへ、唐辛子と他のスパイスを加えてジャム状に煮詰めます。

苺ジャムも一夜砂糖にまぶしてから煮詰めるのと同じで、これはマンゴの果実が山と積まれたインドのマンゴチャツネ工場での作り方です。果物として食する他、甘美なマンゴが、手を加えられて保存食、また調味料としての価値は高く評価されています。

さて、そのマンゴチャツネもホットとスイートの二つのタイプがあります。ホットマンゴチャツネは前記のように唐辛子がたっぷり入った辛いタイプ、スイートは全く唐辛子を入れてないタイプです。

時折り「スイートチャツネを購入して入れたらとても辛くなった」と聞かされることがありますが、輸入品のパッケージ商品のスイートマンゴチャツネの裏表示には“チリ入り”と記明されていますのでご注意ください。

マンゴチャツネは、甘味と旨味、料理の仕上がりの色・艷を良く仕上げる効果があります。隠し味としての評価も高いので、一般的にカレーには欠かせない調味料の一つと言われますが、辛味の全く入らない、スイートマンゴチャツネは、ミートソース、シチュー、ハッシドビーフ、アップルソースの旨味に利用できますし、工夫次第で味の格差を図ることも可能です。

チャツネは、マンゴばかりではなく唐辛子のチャツネ、バナナチャツネ、アップルチャツネ、ピーチチャツネなど料理の目的に合わせた使い方をお楽しみください。

スパイス料理研究家

朝岡 和子

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