料理人のこだわりテクニック(5)広東名菜赤坂璃宮・譚彦彬総料理長

2001.02.19 222号 16面

「レシピの分量だけでは料理はできないよ」と赤坂璃宮・譚彦彬総料理長。

「料理のコツは、基本を覚えたら反復練習しかない」というのが持論の総料理長だが、教科書通りでは、料理人にはなれないと強調する。

さまざまな条件に対応して、最もおいしい状態で、客に出す。そのためには、魚を蒸すだけでも、その魚が冷蔵庫から出したばかりなのか、痩せているか太っているか、素材の状態を瞬時に感じとり、鍋の大きさなどを考え、料理をアレンジしなくてはならない。

それだけではない。厨房が忙しいと、ガスの火力も弱くなる。それによって蒸し時間も微妙に変わるという。

「七分蒸すように指示しても、六分五〇秒で『出せ』と言うこともあります。若い料理人はびっくりしていますが」とほほ笑む。

料理の仕上げは、カンとセンス。五感を研ぎ澄まし、厨房に立つ。それをどれだけ重ねたかで、カンやセンスは磨かれる。その難しさを譚総料理長は教えてくれた。

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