人気上昇する中華の特化メニュー:桃源郷の「海鮮あんかけチャーハン」

2001.07.16 232号 3面

下北沢駅から徒歩五分、中華レストラン「桃源郷」は、本格広東料理が堪能できる店。人気メニューのひとつが「海鮮あんかけチャーハン」だ。実はこのチャーハン、店の一二〇以上もあるメニューには載っていない。

「なじみのお客さんが注文したり、口頭でお薦めする特別メニューです。とくに女性に好評で、毎日注文が入りますね」と店主の田所治さん。

「あんかけ」と言ってもサラリとした「あん」で、コクがあるのにベタつきがなく、夏でも口あたりのいい一品だ。イカ、エビ、カニ、赤ピーマン、椎茸、ネギ、ショウガをサッと炒めて、特製スープで煮るのがコツ。チャーハンそのものも香ばしく、パラリと仕上げ、レタスの上に盛り付けて風味を一層引き立たせている。

味の秘密は毎日二三キログラムもの鶏がらを五時間かけて作る特製スープと油の使い方にある。炒める際にはごま油、自家製のネギ油と白締大豆油を使用、ラードを控え健康志向にこたえている。田所店主以外は奥さんの手伝いのみ。すべて手作りで食材の選択にもこだわる。

例えばコメ。チャーハンは宮城のササニシキ、他のご飯物は新潟か富山のコシヒカリと使い分ける。各メニューは麺類一〇〇〇~二五〇〇円、料理単品二〇〇〇~六〇〇〇円と比較的高価格設定だが、下北沢で開業して一〇年、いまだに以前の開業地(中野)の客も来るほどファンが多い。常連には九〇歳を超えた婦人もいるそうだ。平日昼のランチメニューは週替わりで、豚肉と小松菜炒めなど、店主自慢の手作りの杏仁豆腐付きで一〇〇〇円。サラリーマンやOLらが並ぶ。

◆「桃源郷」(東京都世田谷区北沢三‐三一‐三、03・3466・4775)営業時間=午前11時30分~午後11時、木曜日休

●私の愛用食材 関西ナマコ

「関西ナマコで作った『なまこ醤油煮』(三〇〇〇円)も人気メニュー。使うのは関西ナマコの特上のみ。一本あたり八〇〇円程度ですが、コリコリとした食感、深い味わいは関西ナマコならでは」。

「ナマコの味は戻し方や調理法でかなり印象がかわると思いますね。沸騰させずに気長にお湯にかけて、冷ましてから中のワタを洗う。この作業を四日間かけて戻してから料理していますが、手間をかけただけおいしく仕上がります。ナマコは好き嫌いがある食材ですが、以前は嫌いだったという人や食わず嫌いの人でも食べていかれます。不思議とそういうお客さんほどリピートするんですね」

●私の愛用食材 キッコーマン濃い口醤油

「キッコーマンの業務用濃い口醤油がうちの店には欠かせません。料理の味を引き立ててくれるので、ほとんどのメニューの味付けや隠し味に使っています。日本人好みの中華料理をつくるには、おいしい醤油は欠かすことのできないものだと思いますね。とくにキッコーマン醤油は熟成したまろやかさと香りがたったうまみが気にいっています。私は石川県に近い富山出身なので、原点は関西風の薄口です。しかし薄味でもコクのある味というのが私の味作りの基本。その味をだすのにはぴったりの醤油です」

キッコーマン(株)/千葉県野田市野田250、0471・23・5111

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