データで見る食のトレンド(10)ファミレスに望むもの
昨年10月、首都圏居住の20歳以上の男女個人モニターを対象にアンケートを実施した。有効回答数は606人。そのポイントを紹介してみよう。
ファミリーレストランに対する消費者の不満は、「メニューが代わり映えしない」(六五%)が突出し、「値段が高い」「カロリーが高い」「食べたいと思うメニューがない」「注文してから時間がかかる」といった声も各三〇%台で挙げられており、普段利用しているファミリーレストランの評価では百点満点中六八点、大学の成績評価基準では「可」のレベルにすぎない。
消費者がファミリーレストランを選ぶ際に期待(重視)する事柄を一〇〇点満点で配点してもらった。
料理の味・おいしさへの期待が二六点、メニュー価格への期待が二一点、メニューの豊富さ(品ぞろえ)への期待が一六点といったレストランの基本三要素が六割を占める。
残り四割はサービス業ならではのホスピタリティー(接客応対)やクレンリネス(清潔)、雰囲気などが占めており、これら消費者の期待に沿った店づくりが求められよう。
それでは、ファミリーレストランを利用したいと思うような魅力アップ要因を探ると、「ゆっくりくつろげるファミレス」(九八%)を筆頭に、「冷凍食品を使用せず、手づくり料理の提供」や「産直の食材や地場の食材の利用」「利用回数に応じた特典や割引サービス」「たばこの煙やにおいが全く気にならない」「日替わり定食の充実」「一人でも利用しやすい」が九割の人から指摘されている。
次いで、「客の好みに合わせて味付けや調理方法を変えてくれる」「料理や食材の作り手の顔や経歴が分かる」「個室がある」といったことも八割の消費者が利用意向を示しており、これら一〇ポイントの実現がファミリーレストラン再生へのカギといえる。
(外食産業総合調査研究センター主任研究員 山腰光樹)











