電化厨房最前線(14)東京オペラシティタワー18階「イーストキャラバン」
平成8年にオープンした初台の「東京オペラシティ」は東京の新名所だ。ここで働く約45社8000人に食を提供しているのがオペラシティタワー18階にある職域食堂「イーストキャラバン」。低価格でおいしいものが食べられると、昼食時は大にぎわいになっている。この店で電化厨房の採用のきっかけと使い勝手について聞いた。
一八階にあるイーストキャラバンの窓からの眺望は壮観だ。東京タワーや渋谷など、東京の街が広く見渡せる。店内には職域食堂とは思えないほど高級感があふれている。メニューのバリエーションも和・洋・中華と幅広い。展望のよいところでおいしい料理を安く食べられるとあって、毎日の昼食時には一〇〇〇人以上の客が押しかける。席数二八四席。毎日三・五回転以上している。
「当店は高層階にあることから、安全性が高い電化を採用しました。電化は裸火がでないので安心です」と語るのはこの店を運営する(株)グリーンハウスの総支配人・早川直樹さん。
「電化は厨房内の温度があがらないので、同じフロアにある厨房で大量の料理をしてもフロアの温度に影響がありませんし、空気も汚れません」
電化は快適な食事環境を提供してくれると話す。
「余熱がでないので、使用機器の周りが熱くなりません。調理する人のやけど事故がなく、電化の安全性を実感します」
店の自慢は、レトルトなどのインスタント食材を極力使用していないこと。手作りのおいしい味が人気の秘密だ。それだけにピーク時には厨房内で二〇人以上の調理人が忙しく働く。電化はそうした人たちの安全を保証してくれるという。
「電化は汚れにくく、拭き掃除だけできれいになります。店舗全体の清潔さを保つことができます。オペラシティ内で働く多くの人たちに、安全な食を提供し、健康をバックアップするのにも電化は必要不可欠です」
全席二八四席のうち六四席は、個室として宴会などにも使える。会計は現金、またはプリペイドカード、ほかにIDカードを使用している会社もある。メニュー価格は、そば、うどんが三八〇円、各種定食が六五〇~六八〇円となっている。
◆現場からの声 早川直樹総支配人
電化はガスに比べて、手入れが短時間で簡単に済むのがいいですね。ガスレンジだと分解して掃除をしなくてはならないのですが、電化は拭きとるだけできれいになります。汚れにくく、掃除がしやすい点が電化の一番の魅力だと思います。
電化は当店で初めて採用しました。火力も使ってみると思った以上にあるので満足しています。ただ、まだ電化になれていない調理人の方も多く、そういう方は慣れるまで、最初は火力の調節に苦労されているようです。
六年前に採用した中華レンジは他の電化機器に比べると熱を出します。最新の中華レンジを使ってみたいですね。
◆店舗メモ
「イーストキャラバン」/所在地=東京都新宿区西新宿三‐二〇‐二、東京オペラシティタワー一八階、電話03・5353・0478/営業時間=午前11時30分~午後2時、5時~9時/スタッフ=調理二三人(男性一一人、うち社員三人、女性一二人)、サービス六人(男性社員一人、女性アルバイト五人)/使用器具=スチームコンベクション三φ二〇〇v一五キロワット二台、ローレンジ三φ二〇〇v五・〇キロワット五台、フライヤー三φ二〇〇v八キロワット三台、中華レンジ三φ二〇〇v一二キロワット四台、ゆで麺機三φ二〇〇v九キロワット三台、湯煎三φ二〇〇v三キロワット五台、ヒーター三φ二〇〇v五キロワット六台、鉄板焼き機三φ二〇〇v六キロワット一台、ほか