プロなら簡単 慣れとコツ オムレツづくりのテクニック
メニュー数は豊富でもオムレツ料理のテクニックは意外にシンプル、基本さえおさえておけば、あとは応用自在である。
オムレツ料理は、非常に簡単であるようだが、非常に復雑である。調理法は何よりもまず、慣れとコツが問題になり、卵の分子の同質性を保ち、全体に柔らかく仕上げることが必要である。
火にかけて作るオムレツは、基本的には三種類ある。これらはオーブンや電子レンジを代用して作ることもできる。
フレンチ・オムレツはプレーン・オムレツとも呼ばれ、枕型で、生地に味をつけたものと、中に具を入れたものがある。
スフレ・オムレツはふんわりした軽い口当たりのオムレツ。これは、まず卵の黄味と白身を分けてかたく泡立て、白身を黄身にサッとまぜて焼くため、スフレのようなオムレツになり、よく甘いオムレツに用いられる。
スパニッシュ・オムレツ(トルティーヤ)は、卵に野菜、肉、鶏肉、魚を入れて厚く焼き上げたもので、ケーキのように切って食べる。
オムレツは、単に卵をバターで焼いただけの料理。六〇㌘くらいの重さの卵がちょうどよい大きさで、通常卵三個が一人分だが、具にボリュームがある場合は二人分になる。卵五~六個が二人分の目安だが、具によっては三人分になる。
卵一個につき、小さじ一杯の水を加えると軽いオムレツができる。牛乳を使うと重くなるので避けたほうが無難。卵三個を使ったオムレツ一個に使うバターの分量は一五㌘が目安。
バターを使った卵料理には塩、こしょうの味つけだけで十分だがハーブを入れるときには、卵三個に対して小さじ三杯の割合。また、チーズをオムレツに入れる場合は、卵三個に対し六〇㌘が目安。
粉チーズ、きざんだハム、クリームチーズなどはプレーン・オムレツに入れるとよい。マッシュルーム、ベーコンなどを入れる場合は先にバターでサっと炒めてから、オムレツに入れる。魚、貝、肉、ハムなどは、ホワイトソースに入れてフィリングするとよい。スフレ・オムレツにはフルーツや甘いクレープのフィリングが合う。
オムレツには新鮮な材料を使うことを心がけ、供する直前に焼く。ボウルに卵を割り、フォークで混ぜる。泡立て器を使うと、混ざりすぎて水っぽいオムレツになるので、フォークを使う。
焼き始める前に、皿を温めておく。オーブンやグリルを使うときは、あらかじめ温めておく。弱火にフライパンをかけ、完全に熱してから、バターを溶かし、焦げないうちに卵を入れる。フォークかへらを使って、端のほうの卵を真ん中に寄せながら手早く焼いていく。この動きを何回か繰り返し、約二分焼いて、卵がふんわりふくらみ、下はきつね色で、上のほうは少し水っぽい状態で火から下ろす。フィリングを入れたい場合は、オムレツの端に切れ目をいれて開き、具を入れてまた閉じてから皿にのせる。フィリングは、先に用意して保温しておく。
オムレツをたたむときは、まず、パレットナイフを使ってフライパンの手と反対側の三分の一を手前にたたみ、フライパンの手を上から握って、鍋を揺すってオムレツをフライパンの端にもっていき、温かい皿の上に、たたんでない端が下になるように落としてきれいなオムレツの形にする。好みによって、熱いオムレツの上にバターをのせ、表面にバターを溶かすと、おいしそうなオムレツができる。スパニッシュ・オムレツやソースにたっぷり具の入ったものは、平らなまま盛りつけてケーキのように切って食べるとよい。具に焦げ目をつけることもできる。
たたまない形のオムレツの場合、低い温度のオーブンに一〇~一五分入れて作ることもできる。オーブンに入れる前に火をかけて下のほうを焼くことができるので耐熱性の取っ手のついたオムレツ用のフライパンを使うのが一番。
電子レンジでも上手にオムレツを作ることができる。卵三個のオムレツなら電子レンジ用の直径一七・五㎝の容器にバターを入れ、三〇秒くらい入れて溶かす。そこに溶いた卵を入れて一分間強入れ、両端を中心に向かってたたんでから、また、一分間強入れる。
プレーン・オムレツを作るとき、小さじ三杯の生クリームと小さじ三杯のバターを生地に加えると、焼いたときに、ところどころにバターが浴けてたまり、おいしいボリュームのあるオムレツができる。