この一品が客を呼ぶ・京都:「濱長本店」豆乳プリン

2004.02.02 280号 9面

健康への関心から、長くブームとなっている豆乳。この豆乳を使ったプリンが人気を呼んでいる。濱長本店の豆乳プリンは、老舗豆腐店の豆乳をふんだんに使った上品な味わいが魅力。ほとんど宣伝をしていないにもかかわらず、口コミで評判を呼び、発売後一年で、当初予想をはるかに上回る売上げを達成している。

こんにゃく・ところてんの店として、創業一五〇年の歴史を持つ濱長本店。この京都の老舗店が作る、上品な味わいの豆乳プリンが人気を呼んでいる。

弾力のある白いプリンは、さっぱりとした口当たりながら、豆乳の風味が豊かでコクがある。付属の黒みつをかけて食べるのだが、濃厚なみつとの相性は抜群だ。

味の決め手となる豆乳は、京都の老舗の豆腐店「とようけ屋 山本」のものを使用している。材料の約五五%と、豆乳をふんだんに使っているのが特徴だ。「豆乳の割合が多ければ多いほど焦げ付きやすくなるので、火加減がポイントになります」と代表取締役の飛田政司さん。ほかに水と砂糖少々を入れ、海草粉で固める。製造はすべて手作業だ。

豆乳プリンは昨年1月に販売をスタートした。年間を通じて売れる商品をというねらいで開発されたものだが、昨今からの豆乳ブームも追い風となり、昨年は予想の五倍近い売上げを達成したという。販売は本店のほか、清水寺近くのカフェ(イートインも可)、百貨店、スーパー、そしてインターネットなど。一日の売上げ数は約二五〇個だが、贈答シーズンには激増する。特に昨年12月は、生協を通じてお歳暮セットを販売したところ、一日八〇〇個に達する日もあったという。

購買層は、観光客のほか、贈答用に購入する地元の人も多い。手作りならではの味わいもさることながら、“京都らしさ”も人気の重要なポイントとなっているようだ。

◆濱長本店(京都市上京区千本中立売下ル、電話075・441・5423)営業時間=午前9時~午後7時、日曜定休/一日食数=約二五〇個

◆食材の決め手:黒みつ 林孝太郎造酢

やわらかい味わいの豆乳プリンに欠かせないのが黒みつ。同店の豆乳プリンでは、スタンダードな黒みつと抹茶入りとの二種類から選ぶことができる。いずれも京都の老舗である「林孝太郎造酢」のものを使用している。

「沖縄波照間産の黒糖を使っており、コクがある」と飛田さん。豆乳と同じく、黒みつもこだわりのものをということで選んだ。甘みを控えたプリンに、とろりとした感触の深みのあるみつの味がマッチする。

▽問い合わせ=林孝太郎造酢(京都市上京区、電話075・451・2071)

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