この一品が客を呼ぶ・神戸:「モダナークファームカフェ」玄米のベジタブルカレー
一〇〇%植物性の材料を使った、玄米と野菜のカレー。この店のランチメニューの中でもよく出る一品となっている。若い人たちや観光客など、幅広い層から支持を受けている背景には、健康志向の広がりがあるようだ。さらに、野菜だけでありながら、あっさりしすぎず、パンチと食べごたえのある点が、人気の秘密といえる。
若者向けのブティックやカフェが軒を連ねる、神戸・三宮のトアウエスト地区。ここで、エコロジーや健康に気を遣ったメニューを提供しているのが、モダナーク・ファーム・カフェだ。ケミカルなものを一切使わないこの店のフードでも、この玄米のベジタブルカレーは人気メニューのひとつとなっている。
カレーはトマトがベースとなっており、それに大きく切ったジャガ芋、ニンジンなどの具が入っている。日によっては、ヒヨコ豆やナスなどの具材が加わることも。炒めるときにはサラダオイルを使用するなど、一〇〇%植物性のカレーだ。
ベジタリアンだけでなく、若者たちにも人気があるこのカレー。理由は、パンチの効いた味わいにあるようだ。野菜だけのカレーだけに、おいしさのポイントは、いかにコクと深みを出すかにかかっている。玉ネギはじっくりと炒めて甘みを引き出す。チリパウダー、コリアンダー、カルダモンなど約一〇種類のスパイスも炒めて、しっかりと香りを出し、さらに野菜のブイヨンを加えて煮込む。できあがったカレーは、さわやかな酸味とスパイスの辛みのコントラストが絶妙だ。
合わせるライスは、食べやすい七分づきの玄米に、押し麦やキビ、アワを入れたもの。さらに付け合わせとして、あっさりとしたピクルスとトルティーヤ・チップス、それにヨーグルトが付いてくる。ヘルシー感が漂うメニューは、外食続きで野菜不足になりがちな観光客にも喜ばれているようだ。
◆食材の決め手 アリサン(有)「ベジタブルスープブイヨン」
野菜だけのカレーにコクを加えるうえで欠かせないのが、この「ベジタブルスープブイヨン」。ニンジン、ネギ、セロリ、玉ネギなどの野菜に海塩を加えたもの。以前は国産のブイヨンを使っていたが、今は、このドイツ製のものを使っている。
「風味がやわらかく、深みを加えつつ、素材の味をこわさない。オーガニックということで安心感も高いですね」と店長の中野智子さん。
約六〇食分作るのに、二個入れれば十分だという。
▽問い合わせ=アリサン(有)(埼玉県日高市、電話0429・82・4811)
イカスミシーフードカリーの味の決め手となる食材は、もちろんイカ墨だ。この店では讃陽食品工業の「いかすみソース」を使用している。イカ墨をブランデーとアーモンドでソースに仕上げたもので、パスタやリゾットなどにも使うことができる。
「コクのある仕上がりになるし、生のイカに比べて、衛生面でも安心して使える」のが愛用の理由というタンデさん。一皿につき、だいたい五〇ccほどの分量を使っている。
▽問い合わせ=讃陽食品工業(株)(香川県高松市、電話087・833・7011)
◆モダナーク・ファーム・カフェ(神戸市中央区北長狭通三‐一一‐一五、電話078・391・3059)営業時間=午前11時30分~午後11時(日曜午後10時)/席数=五三席/一日食数=約四〇食