地域ルポ 大井町(東京・品川) 駅ビル建設、地域再開発事業で活性化
JR大井町駅周辺は、五、六年前まではみるべき都市施設もない雑然とした街という印象が強かったが、平成元年9月に品川区総合区民会館「きゆりあん」とクレジットデパートの丸井がオープン。また今年3月、スポーツ商業施設を集積した駅ビル「アトレ」(6・7面記事掲載)が完成したことにより、街のイメージが大きく変わった。
これら施設ができる以前は駅西口に阪急デパートと阪急ホテル(現アワーズイン阪急)があり、辛うじて地域のプレステージを高めていた。
大井町は、地理的には品川区の中央に位置すると共に、同区役所が存在する行政の中心だが、「きゆりあん」やアトレが建設されるまでは都市施設の集積は極めて乏しかった。
だが、これら大型の商業施設および都市施設の建設が進んできたことにより、実質的にも品川区の中心ゾーンとしての機能が高まってきた。
大井町は、第一京浜国道とJR京浜東北線に挟まれた大井町駅東口と、JRおよび東急大井町駅周辺の大井町駅西口の二つのエリアに分かれている。
これは駅を中心にすると、半径四、五〇〇mの範囲で、行政地番でいえば、東口が東大井五、六丁目と南品川の六丁目および五丁目。西口が大井町一丁目と広町一丁目および二葉一丁目といった地域だ。
これら地域は、品川区の長期基本計画(市街地再開発事業)において、五反田‐大崎‐大井町を結ぶ都市軸の中心核として位置づけられており、東口の「きゆりあん」の施設はその第一弾として具体化されたもの。
また、これに続く駅ビル「アトレ」の建設も、地区再開発事業によるもので、さらに西口地域においても、JR大井工場の跡地利用地域をはじめ、大型の都市商業施設および京葉線、埼京線の乗入れを促進するなどの再開発事業を計画しており、西暦二〇〇〇年までには大井町は品川区の行政・文化の中心地として、大きく発展するものと期待されている。