「食品微生物検査技士資格認定制度」がスタート 7月、受講生を募集

2005.05.02 300号 4面

(社)日本べんとう振興協会(東京都新宿区、電話03・3356・1575)は、食品微生物検査技術を対象とした本格的な資格認定制度で初の「食品微生物検査技士資格認定制度」をスタートさせた。厚生労働省のアドバイスで制度設計し、農林水産省の了承を受けて事業化したもの。従来食品メーカーが行っている汚染指標菌(一般生菌、大腸菌群、大腸菌など)、黄色ブドウ球菌の検査技能に加え、バイオリスクを伴うサルモネラ、セレウス、カンピロバクターなどの検査と同定する知識・技能、さらにアレルゲンの検出法までも踏み込んだ研修を行う。

同協会が平成8年から続けてきた「微生物検査技術向上のための研修会」の四〇〇人の履修生とその課程で培ってきた実技研修や教育ノウハウを基盤とし、これを体系立てて、検査理論などを追加して発展的に編成したもので、認定委員長には小沼博隆東海大学海洋学部水産学科教授・医学博士が就任した。

この制度は(1)検査データを解析し、衛生管理システムの改善指導ができる能力を求めている(一級検査技士)(2)初心者に簡易検査法や衛生管理の基礎理論などを「食品衛生検査研修」として学ばせるなど、実務的・即戦的能力を養成し認定する。

また、想定している学習対象者は、原材料を含め弁当の製造・販売に関与する事業者の従業員。具体的には、食品に関する微生物検査、安全管理、品質保証のみならず、製造現場などの担当者、管理者、責任者だが、一般の製造事業者とその従業員などの受講・受験も期待しており、協会では衛生管理を原因とする食品事故防止の対策に貢献する認定制度と位置づけている。

資格は一級食品微生物検査技士、二級食品微生物検査技士の二つであり、養成研修はその二つに食品加工衛生検査研修の三コースからなり、食品加工衛生検査研修の履修生には「食品加工衛生検査研修履修者」の呼称を許可する。

検査技士の資格コースは四ヵ月の通信教育、三日間の集合研修である食品微生物検査研修、スクーリング、筆記試験、実技試験で、研修コースは四ヵ月の通信教育とスクーリングで構成されている。

今後のスケジュールは7月に受講・受験生を募集し、9月から通信教育を行い、10~12月に食品微生物検査研修、来年1月にスクーリング、2月に試験、3月に合格発表を行って第一次食品微生物検査技士を誕生させる予定。

安田定明日本べんとう振興協会会長は「弁当の製造は多数の食材・調理方法からなり、メニューアイテムも多く商品の改廃が早いことから単品をラインで製造し続ける商品と大きく異なる。安全・安心な弁当の供給には、食材原料の受け入れから製品の販売まで、各過程全般に微生物の制御は不可欠であり、HACCPなどの衛生管理のサブシステムとして、この制度をスタートさせた」と語っている。

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