電化厨房特集:中華料理にも電化厨房の波=ホテルカデンツァ光が丘 白楽天
裸火がなくクリーンでクール、そのうえコントロール性に優れ、コスト削減に威力を発揮する電化厨房。一方、電化調理機器は火力が弱く、調理に強火を必要とする中華料理店では採用は難しいとされてきた。そのイメージを大きく塗り替えているのが東京・練馬のホテルカデンツァ光が丘内にある中華料理の「白楽天」だ。11年前から電化厨房を採用。海の幸、山の幸を強火で仕上げる本格的な上海料理を提供している。
厨房では、5台のIH中華レンジをはじめとする電化厨房機器が毎日フル活動。170種以上あるメニューの調理を担っている。
「これまでコークス、ガス、電気とあらゆる熱源を経験してきましたが、快適な厨房環境の実現と使い勝手の良さで電化厨房に勝るものはありませんね」と、調理長の劉和平さん。
劉調理長は中国の湖北省武漢出身。料理人としてのキャリアを炭火調理からスタートした大ベテラン。
「ガスと違い、電気は火が見えないので最初は誰でも戸惑います。でも1~2ヵ月あれば慣れますね」
中華料理の調理では鍋のなかに火を入れて食材の水分などを飛ばすのが、料理をおいしくするコツのひとつとされる。裸火のないIH中華レンジではどのように処理しているのだろうか。
「IH中華レンジは、あらかじめ鍋を熱く焼いておいてから使います。そうすれば鍋に火を入れるのとなんら遜色のない料理ができます」
裸火がないことより、電気の立ち上がりの早さと火力の強いことのほうが、はるかに魅力的だ。
「お湯が早く沸くので調理も早くできる。食材を入れた時に鍋の温度が下がってもすぐに復帰する。これは1メニュー当たりに使う食材が多い中国料理を数多く調理するのにとても便利です」
野菜などを大量に調理する時は、別の鍋で温めておいた油を食材の上にかける。その場合でも裸火のないIH中華レンジは安全だ。電化厨房の労働環境改善効果の評価も高い。
「中華料理店の厨房は熱いのが当然とされてきましたが、電化厨房なら涼しく清潔です」と劉料理長。上海から来た中国人スタッフも快適な厨房で働けることを喜んでいるという。
◆現場からの声:劉和平調理長
電化厨房を採用して11年になりますが、その間に調理器具は目ざましく進歩しました。以前のイメージで、電気は火力が弱いと思われがちですが、それは誤解です。今のIH中華レンジは熱効率がよく火力が強い。それでいて厨房内の温度は上げません。ガスに比べて、調理器具が長持ちするのでコスト削減効果も大きい。強火を必要とする中華料理店にとって、電化厨房は理想的な厨房と言えるでしょう。
◆店舗メモ
ホテルカデンツァ光が丘 白楽天(東京都練馬区高松5‐8、J・CITY、電話03・5372・4500)営業時間=午前11時30分~午後2時30分、5時~9時15分(土日祝は通し営業)/スタッフ=調理10人/席数=84席/調理機器=IH中華レンジ、IHヒーター、スチームコンベクションオーブン、電気蒸し器、ほか
◆機器紹介:(株)フジマック IH中華レンジ「FICR05A」
(株)フジマックのIH中華レンジは、加熱コイル部を中華鍋の形状にあったコイルにして、熱効率を最大に発揮できるように設計されている。
特徴は(1)熱効率80%以上を誇り、ガス中華レンジ29・1kw相当にあたるハイパワーを実現(2)燃焼排気ゼロで環境にやさしい(3)未使用時電力カット機能を装備。ランニングコストがガス中華レンジの約2分の1(4)火力調整がレバー操作で簡単(5)加熱コイル部を熱や水に強い特殊セラミックで保護。外寸(mm)=W600×D750×H800。
▽問い合わせ先=(株)フジマック(東京都港区、電話03・3434・2209)