珈琲館、備長炭焙煎で差別化 「炭火珈琲」の魅力を訴求
コーヒーメーカーは、コーヒー製品の価値向上を目指し、コーヒー生豆の品質訴求や炭焼、直火、コークスなど焙煎方法への啓蒙活動に積極的だ。その中で、コーヒーショップを展開する珈琲館(東京都千代田区、電話03・3258・1151)の佐倉工場(千葉県佐倉市)では、新しい価値を提案するため備長炭を使用した焙煎を行い、差別化を図っている。
同工場では、コーヒーショップで味わえる「炭火珈琲」の魅力を伝える目的で、和歌山県産の備長炭による炭火焙煎を展開。コーヒー豆の表面を焦がすことなく芯まで火を入れる焙煎を施す。
そのため、珈琲館店舗で提供される「炭火珈琲」は糖分やミルクを混ぜても、しっかりとしたコーヒー感が味わえるものとなっている。
同工場は、珈琲館全商品の製造を担っており、現在のところ、焙煎機は4機(120kg、45kg、炭焼焙煎機55kgと60kg)を設備、入荷した生豆の状態に合わせた焙煎を行っている。焙煎工程は機械任せにせず、各焙煎機に人を配置し豆の焼き上がりを担当者が確認する。
同社製品はコーヒーショップでのカップ提供が中心であるため、工場内の品質管理室では「炭火珈琲」「炭火アイスコーヒー」「完熟珈琲」「自生珈琲」「陰干し珈琲」など製品のカップテストを行い、味覚の一定化に努めている。
カップテストは、焙煎担当者が作業にあたり、コーヒー豆の特徴を把握することで、焙煎作業の向上を図る。
工場には、常時13種類のコーヒー生豆が保管されている。その上、スポットとして数種類のコーヒー生豆を揃え、独自性の商品研究を行っている。製品化については、高品質商品の提供を目指し、少量多品種での展開を図る。
今後も、企業のスタンスとして消費者の健康志向をとらえた安全・安心な商品の提案に取り組んでいく方針だ。