SNC、すかいらーく買収成立 来年1月新会社
(株)すかいらーく(東京都武蔵野市、電話0422・51・8111)は7月11日、SPC(特別目的会社)のSNCインベストメント(株)が6月9日から同社株の公開買い付け(TOB)を行っていたが、10日に成立条件の66・7%を大きく超える94・4%の1億0260万株強の応募があり、買収(MBO)が成立したと発表した。これによりSNCは、すかいらーくの親会社で筆頭株主となる。
SNC(東京都千代田区)は、横川竟会長兼最高経営責任者(CEO)ら創業一族経営陣がSPCの代行である野村プリンシパル・ファイナンス(NPF)、英投資ファンドのCVCキャピタルパートナーズが出資して6月8日に設立された。投資業務、経営や財務に関するコンサルティング業務などが目的。公開買い付け決済は7月21日の開始日から順次株券の受け渡しが行われる。
今後は、すかいらーくの親会社となるSNCが産業活力再生特別措置法に基づく経営資源再活用計画(以下「本計画」)の主務大臣による認定を受けるための申請を行っており、公開買い付けで取得できなかった残りの同社の株式(SNCがすでに保有している同社株式と、すかいらーくの保有する自己株式を除く)について計画が認定された後、金銭交付による株式交換を実施し、その後SNCを存続会社としてすかいらーくを消滅会社とする合併を行う。
SNCは公開買い付け後完全親会社として、すかいらーくを完全子会社とする株式交換を行う。これにより、すかいらーくの株式は東京証券取引所の株券上場廃止基準に従って9月には上場廃止、来年1月にはSNCとすかいらーくが合併して、横川竟すかいらーく会長兼最高経営責任者(CEO)がトップとなる新生すかいらーくが誕生する。新会社には1600億円をSNCが、20億円を創業一族経営陣が、30億円を従業員がそれぞれ出資する。
すかいらーくグループは、創業以来36年間で全国4400店、年間延べ5億人以上が来店する国内最大のレストランチェーンを築いた。しかし、9割を占めるファミリーレストランだけでは消費者ニーズの多様化に応えきれずにいた。株式非公開による速やかな判断で組織や人事の刷新も含めて、レストランや惣菜、デリバリーなど新業態を既存のブラッシュアップや新規開拓で全売上げの約4割に育て上げ、収益構造を改善したい考え。5年後の再上場も視野に入れている。