レックス・ホールディングス、抜本的に事業構造改革

2006.10.02 320号 6面

牛角など外食事業を中核に、CVSや食品スーパー(SM)など小売事業も展開する(株)レックス・ホールディングス(東京都港区、電話03・5544・2111)は、今期中に抜本的な事業の構造改革に着手する。06年12月期中間決算での業績低迷を受けて企業の管理運営体制を強化し、各部門が高収益な店舗づくりを共通の目標として、投資回収率重視体制への転換を急ぐ。下期は各事業で出店計画を見直し、新業態開発も抑え、既存業態の深化に力を入れる。それらにより、FC多業態戦略を安定的な成長に乗せたい考え。

06年12月期中間の連結決算は、新規出店などで増収となったものの大幅な減益となった。主力の牛角などの外食事業が不振で物流事業など関連部門に影響し、小売事業でも出店数や既存店の売上げが計画よりも下回ったのが要因。

同社はこれまで外食を中心に順調に業績を上げ、近年ではM&A(企業の合併・買収)などで小売業にも進出し急速な成長を遂げてきた。その半面、企業の規模拡大に管理運営の体制が整わず、西山社長は「出店計画の目標達成が一番重要な課題になっていた」と省みる。売上げや出店数の達成を重視する企業体質に陥っていたため、組織の抜本的な改革に取り組む。

外食事業のレインズインターナショナルでは、9月1日付でレックスHDの西山知義社長が同社社長を兼務して自ら采配(さいはい)を振るい、テコ入れを図る。本部体制からFC加盟方法まで抜本的に見直す。立地開発から店舗運営まで一貫して手掛けるチームを10ほどつくり、直営270店ほどを振り分け、営業権を売却できる店舗からFC化していく。1チームで年間30店ほどを販売し、その営業権の売却益の一部を社員に還元する仕組みとする。直営により出店速度を調整し、加盟契約数と出店数のズレによる未出店を低減する狙い。出店数を安定させ、収益性の高いFC店へスーパーバイザー(SV)指導や子会社のコスト・イズによる商品供給で稼ぐ。

(株)エーエム・ピーエム・ジャパンのCVS事業は、個店の競争力の強化を図る。生鮮品を扱う新業態のフードスタイルのノウハウも生かし、立地別に品揃えやサービスをきめ細かくする。自動発注も導入し、加盟店の支援も進める。

(株)成城石井のSM事業では、新業態のセレクトのFC化が来期にずれ込む予定。10月末に直営の3号店をオフィス立地で開店する予定。立地精査を進め、多店舗展開に備える。

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