関西版:ノロウイルス対策に竹の抽出物が効果的
モウソウチク(孟宗竹)の抽出物で食品や消毒液の商品化を進めているバイオ・ベンチャー企業の(株)タケックス・ラボ(大阪府吹田市、電話06・6821・2554、http://www.takex-labo.com)が参画する「近畿竹資源有効活用コンソーシアム」は、竹抽出物のノロウイルス不活性化効果が実証された研究成果を、日本農芸化学会関西支部大会で発表した。
これは「安全性の高いモウソウチク抽出物を1%混入した製剤で試験すると、30秒以内にウイルスが検出限界以下まで不活性化した」というもの。消毒製品などに広く使われているエタノール製剤で同じ試験をすると不活性化まで30分以上かかることも同時に確認された。なお、試験に使用したウイルスは、現在ノロウイルスを人工的に培養できないため、同じカリシウイルス科のネコカリシウイルスを代替えにしている。
(株)タケックス・ラボは「従来の科学性消毒剤よりも優れた効果が確認されたモウソウチク抽出物を利用した安心・安全な商品(タケックスクリーン)を、商品や調理器などの消毒、施設の消毒、手の消毒など、ノロウイルス対策に必要な場面で利用する価値がある」とし、「ノロウイルスは高い感染力を有し、一般消毒剤に対する抵抗性があることで対応が困難とされていたが、天然資源である竹から抽出されたエキスが食中毒対策として有効利用され普及することで、安心・安全な食環境の確保が期待される」と語っている。
古来から竹の抗菌、殺菌効果は知られているが、天然資源の中で竹は3~5年で成長するため、有効活用化への期待がかかっていた。「近畿竹資源有効活用コンソーシアム」は05年10月に竹の有効活用を進めることを目的に大阪府立食とみどりの総合技術センター、大阪府立公衆衛生研究所、大阪府立大学大学院・生命環境科学研究科、(株)タケックス・ラボなど、産・官・学・民が参加し発足した協働体。