メニュートレンド:身体にやさしいデトックス鍋 「香港火鍋酒家 笑龍」

2007.01.01 323号 1面

美容と健康という女性の2大テーマが、外食市場においても必要不可欠となった現在、とりわけここ1~2年は、「デトックス」(解毒・体内浄化)というキーワードがクローズアップされている。そのデトックスをテーマに「薬膳火鍋」を展開する新店が現れ、女性層から脚光を浴びている。

話題の新店は、東京は渋谷区恵比寿の「香港火鍋酒家 笑龍」。昨秋リニューアルオープンしたところ、デトックスを掲げた「薬膳火鍋」(1人前1680円・2人前から)が大ブレークしているという。

「火鍋」とは、旬の食材を紅白2色のスープで煮て食べる中国鍋料理のこと。2つに仕切られた鍋には、鶏、豚骨、野菜などを長時間煮込んだ白いスープ(白湯)と、白湯をベースにナツメ、桂皮、月桂樹、八角などの漢方(生薬)を加えた、スパイシーな紅いスープ(麻辣湯)が張られ、旬の野菜、キノコ類、豚肉、魚介類、豆腐などをスープで煮て、好みの薬味を加えて食べる。

薬膳火鍋の基本は、「美食同源」の考えにあり、体調に合わせて食材を選び、食材の持つ自然の力で体のバランスを整えようというもの。そのためこの店の火鍋の追加食材メニューには、それぞれの効能を記載しており、料理を味だけではなく、体調でも選ぶという方法を提案している。

「オーダーの5~6割が火鍋を含んだコース料理。火鍋以外にも当店ならではの料理を提案していきたい」と統括マネジャー兼開発担当の高島正秋氏。「旬の食材を中国料理の手法で健康的に表現したい」と言う。

もちろん、いずれの料理も「美食同源」の観点から、食材選びには慎重だ。例えば、旬の状態が身体には一番良いため、野菜は季節ごとに産地をかえ、トレーサビリティーにも気を使う。さらに30種類以上の漢方(生薬)と、10種類以上の季節に合わせた「酢」を常備して積極的に料理に取り入れている。

「コンセプトはお客さまの“口福”を願うもの。いずれは漢方医(または薬局)とのコラボレーションも実現させたい」と高島氏。

客層は、8対2の割合で圧倒的に女性客が多い。年齢層も20代後半~30代と、おいしいだけではなく、「身体に良い、美容にも良い」に敏感な世代が中心だ。店舗づくりにおいても、足元のちょっとした空間の取り方など、女性客への配慮が随所に見られる。

今後、この看板メニューの製品化を進め、店頭・ネット販売に乗り出すほか、早々に2号店を立ち上げる考えだ。

◆「香港火鍋酒家 笑龍」/経営=(株)ユーアール/店舗所在地=東京都渋谷区恵比寿南1‐8‐10、MY恵比寿ビル2~3F/開業=2005年12月/営業時間=午前11時30分~午後2時30分(平日だけ)、5時30分~11時30分、無休/坪数・席数=60坪・88席/客単価=昼920円、夜5200円/1日来店客数=夜・平日40組、休日50組/平均月商=1000万円

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