低コストにこだわる必勝居酒屋メニュー(その7)長芋
長芋は栽培技術の向上によって収量が上がり、価格も切り下がってきた。なかでも大型のものは相場が安いので、これを上手に使えば原価的にはかなり有利な商品づくりができる。保存適性もよく、廃棄ロスなどの心配もないので、きわめて使いやすい食材だ。大和芋に比べると粘りが少ないが、それがむしろ食べやすく、さまざまな調理に使える利点となっている。
居酒屋などではとろろとしての使用が主だが、シャキシャキとした食感を生かすメニューの方が長芋らしいおいしさを訴求できる。納豆やオクラ、メカブなどのとろみのある食材と組み合わせてスタミナ感をイメージさせるメニューはよく売れる。また、加熱をしても独特な食感となっておいしい。すりおろしたものに卵を加え、好みの具材を入れて鉄板焼きにしたり、拍子木に切って素揚げにし、塩や一味唐辛子をふって提供するのも一法。
変わった使い方としては、焼き鳥やつくねなどにかけて提供するのも面白い。長芋そのものを焼いてもよい。オリーブ油やバターでソテーするとホクホクとした食感で、独特の味になり、意表をつく味のメニューになる。洋風にトマトソースなどで提供するのも一法だ。
◇長芋とマグロ・アボカドの3色巻き
■参考原価=128円
■使用食材(1人前)
長芋(拍子木切り30g)ネギトロマグロ(30g)アボカド(拍子木切り30g)キュウリ(拍子木切り20g)グリーンカール(4g)生春巻きの皮(1枚)土佐酢(30ml)ゼラチン(0.6g)練りワサビ(2g)
■調理法
(1)土佐酢に溶かしたゼラチンを加えて冷やし、土佐酢ゼリーを作っておく。
(2)生春巻きの皮を水で湿らせてもどし、グリーンカールを敷く。
(3)(2)に長芋、キュウリ、アボカド、ネギトロをのせて巻く。
(4)カットして皿に盛り、(1)をかけ、練りワサビを添える。
■メニュー開発のコンセプト
シャキシャキとした長芋とキュウリ、コクのあるネギトロマグロとアボカドの4種の具材の味バランスが楽しい。
■応用のヒント
マグロのかわりにサーモンやカニ、イカでも美味。刺身類の手くずを使うと原価を抑えられる。
◇長芋のそば仕立て
■参考原価=68円
■使用食材(1人前)
長芋(60g)卵黄(1個)水菜(3~4cm幅4g)練りワサビ(2g)そばつゆ(100ml)刻み海苔(適宜)
■調理法
(1)長芋はそばと同程度の太さの細切りにする。
(2)器に(1)を入れ、冷やしたそばつゆを注ぐ。
(3)卵黄をのせ、水菜、刻み海苔、練りワサビを添える。
■メニュー開発のコンセプト
長芋の定番メニューである月見芋をアレンジ。そば感覚でツルツルと食べやすく、つゆでボリューム感が出る。
■応用のヒント
長芋はそうめん程度の細さでもよい。ワサビのかわりにおろしショウガやゆずコショウを使っても美味。