簡便・省力化に役立つ缶詰 料理法の基本、味の決め手は温度の高低

1993.10.04 37号 11面

缶詰の料理法も普通の料理法と変わりはないが、まとめてみると、

① そのままで使用する料理

② 焼く料理(オーブン、直火、蒸し焼き)

③ 煮る料理

④ 蒸す料理

⑤ 揚げる料理

⑥ 揚げてから煮る、焼いてから蒸す料理などである。

こうした料理をおいしく食べるためには、温度の高低によって味が大きく変化することをよく知っておくことは大切である。

人の舌の感覚は一〇度~三〇度において鋭敏に感じられるが、この温席帯から離れると鈍感になり、八〇度以上であったり、逆に零度以下であると痛覚として感じる。

缶ジュースのような多少酸味のあるものは、冷えた方がおいしく、甘味のものを冷やす時は甘味を強くしておかないと甘さの感じが弱くなる。

塩味の場合は、温度が高くなると感じ方が弱く、温度が下がれば塩味は強く感じるようになる。温めてすぐ使うような、調理缶詰を使うような場合、例えばコーンスープの味を整えておいても、冷えてから味をみると、塩味のきいた料理になっていることがある。

平均気温の高いところほど酸味のものを求め、気温の低いところでは、塩味の強いものを求める傾向がある。季節で味わい方の違うことなど、細かい配慮が大切である。

「缶詰だから」といった画一的な料理の受け止め方にならないためにも、これからは、どうすれば客により一層のサービスを提供することができるか、考えてみることも必要だと思う。

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