ニュー飲食ビジネス「屋台村」:一龍屋台村(世田谷)

1993.10.18 38号 2面

(株)一龍グループ(本社=東京・世田谷、三浦愛三社長)は、世田谷地区および大森、葛西地区で移動屋台を展開する飲食企業として業界では広く知られた存在にあるが、九〇年4月、世田谷区喜多見(成城学園前)に屋台の集合体である全国初の“屋台村”を開設して、大きく業界の注目を集めている。

現在なお多くのマスコミに取り上げられるなど、話題の飲食ビジネスだが、その気取りのない縁日的風景は、日本人のハートを強く捉える。

「自然環境の中で育った、自然の食材を使い、美味しいものを、自然の中で楽しく飲食できる“場”、そして人と人との触れ合う懐かしく温か味あふれる村落共同体(Villege Community)のような“場”を提供できれば…」というのが、その開設理由だが、この世田谷店に続いては、昨年5月に二号店を神奈川県海老名市に、今年3月にも三号店を茨城県つくば市に、さらに7月にはFC第一号店として、千葉県八街市にオープンしており、なおフランチャイズ店の希望が全国から寄せられてきている。(11月には甲府市にオープン)

世田谷店は62年からテントハウスの炭焼店として開業していたものだが、平成2年4月に屋台を集約する形で再オープンした。

いわば業態変更というわけだが、同一空間内に複数の屋台があり、しかもそれぞれに提供する料理(メニュー)が異なる。

店舗は平屋で相当に老朽化しており、お世辞にも美しいとはいえないが、いかにも小屋掛けの雰囲気で、床が土間の自然の感じが心地よい。

店舗面積約七六坪、客席数が一二〇席で、客席を囲むようにして屋台が六つ配置されてあり、たしかに縁日のような和やかな雰囲気が漂っている。

屋台は大皿料理、串焼き、お好み焼き、中華、ラーメン、すしの六業態で、料理の単品単価は三〇〇~一〇〇〇円の範囲。

料理は屋台を回遊して自由にチョイスできるシステムで、この点が客の遊び心を捉えており、屋台村の大きな訴求点となっている。

客層はサラリーマンからファミリー客まで多様だが、若い女性客も多い。客単価二五〇〇~三〇〇〇円。一日五回転はする。(別掲営業データ掲載)

○住所/東京都世田谷区喜多見五-一一-一

○営業時間/午後5時~午前1時、月曜定休

○電話/03・3416・2911

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら