地域ルポ 稲毛海岸(千葉・美浜) 人口急増するベイニュータウン飲食ゾーン

1994.02.07 45号 7面

同施設は昭和46年、千葉市と地元経済界が共同出資して設立した千葉経済開発公社を開発主体に、扇屋ジャスコをパートナーとして、昭和56年に建設事業に着手したもので、「ゆとり」「うるおい」「にぎわい」を開発コンセプトにして、前記のとおり、昭和59年4月にオープン、今年で満一〇年を迎える。

同施設の開発事業は、稲毛海浜ニュータウンの中核施設として具体化したものであったが、単なるショッピング機能ばかりではなく、地域住民はもとより千葉市民の生活文化の拠点、コミュニティーの場としての性格をもたせて、オープンを実現している。

施設は基本的には衣料用品、ファッション、リビング、ホビー、食料品、飲食、家電、雑貨など一二〇の専門店から成っているが、これらショッピング施設に加えてはファミリーシアターをはじめ、音楽・ダンススタジオ、アスレチックジム、さらには冬アイススケート、夏テニスコートの開閉式のスポーツドームも展開しており文字どおりに市民のふれあいの場としての機能を発揮している。

この中にあって、四階フロアのグルメゾーン(グルメ&コミュニティタウン)は、「チップス」(ファミリーレストラン)、「銀座ひら田」(日本料理)、「松鮨」(すし)、「有賀藤」(お好み焼)、「泰南飯店」(中国料理)、「花ぐるま」(甘味・ラーメン)、「更科」(うどん・そば)、「膳好」(とんかつ)、「ビッグシェフ」(洋食レストラン)、「イタリアントマト」(ケーキ・洋食)など和・洋・中一〇店舗が出店しており、地域住民の多様な飲食ニーズに対応している。

マリンピアの四階飲食ゾーンにくれば、うどん・そばから本格的な中国料理まで、好みの料理を食することができるということだが、しかし、客層は主婦やファミリー客が主体であるので、消費単価が上がらないという事情にあり、売上げ増には限界がある。

とくに、消費が低迷している現状に加えて、周辺に多様な飲食店舗が登場してきているので、競合状態にもあり、新たにマリンピアグルメゾーンの集客力が問われてきているところだ。

同ゾーンの平均客単価は一〇〇〇円前後、年商一三億円。単純に計算すれば、一店舗当たり年間平均一億三〇〇〇万円以上の売上げということになり、一般的にみれば、これは善戦しているという数字だ。

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