スペイン料理味の探検 カタルーニャ地方-絶品!鯛のオーブン焼き
今日のスペインの料理文化は、さまざまな異文明の影響下で成り立っているだけに複雑で系統的に概括することはむつかしい。しかし料理面でいくつかに分けられるが、いずれも地方色が豊かでバラエティに富んでいる。
オリンピックが開催されるカタルーニャ地方の中心都市バルセロナは、スペイン最大の貿易港で、古くから新文化を吸収する国際都市。カタルーニャの料理の特徴のひとつは、地中海でとれる海産物を材料とした魚介料理、なかでも鯛のオーブン焼き(ベースゴ・アルオルノ)は絶品。サルスエラといわれる地中海の海の幸をふんだんに盛った魚介鍋が有名。材料は夏の味覚の代表オマールエビに、はまぐりやイカなどの魚介類をトマト、にんにく、タマネギをオリーブ油で炒めサフランの香りをきかせて味を調えたものといっしょに、水から煮込む。地中海の香りを感じるボリュームたっぷりの料理。
この地方のもうひとつの料理の特徴は腸詰めと野菜を使った料理。カタルーニャにはブディファラとよばれる特産の腸詰めがある。また、太い腸詰めのサルチチョンはスペイン一の生産地として有名。
まず、郷土料理として知られているのは、ブディファラとキノコの蒸し焼き。カタルーニャ語でベジョンズといわれるキノコをにんにくとパセリの風味をつけ炒め、オリーブ油をたっぷりかけオーブンで焼いて、ブディファラに添えたもので、一流レストランのメニューとして人気料理となっている。
同じブディファラを使った煮込み料理の代表は、エスクデジャ・イ・カルン・ドシャ。これは、いわばカタルーニャ風のコシドで、チョリソやモルシーリャの代わりに白ブディファラと血入りの黒ブディファラを入れ、さらにペロタと呼ばれる牛肉と豚肉の肉団子を加える点が特徴。
このほかに腸詰めといんげん豆の煮込み、野菜料理としてカタルーニャ風ホウレンソウ炒め料理が有名。