FCビジネス点検 サンドイッチのFF・日本サブウェイ、設立3年で80店舗
サンドイッチのFC企業米国サブウェイ(コネチカット州)との提携で、日本サブウェイ(本社・東京)が国内でのチェーン展開を推進している。
米サブウェイは一九六五年に店舗を開設して以来、年間一〇〇〇店以上のペースでチェーン展開をおこない、現在では全米を中心に世界各国に約一万店を出店するに至っている。
日本市場では九一年10月に会社設立後、東京・赤坂に直営第一号店を出して、この年に直営三店舗を開設した。
FC展開は九二年10月で、この一号店と同時にたまプラザ(横浜市緑区)と西葛西(東京・江戸川区)をオープンしている。
その後、チェーン展開はハイテンポで推移しており、今年7月末現在、直営五店、FC七五店の計八〇店を出店している。
会社設立三年で八〇店舗というのはオドロキで、年間二〇店以上のチェーン展開ということになる。九五年度の出店計画は新規に五五店(九四年度六五店)を上乗せして、トータルで一二〇店とする考えだが、上半期でまだ一五店の出店に過ぎないので、目標を達成するのは困難という感じだ。
しかし、それでも新規に三〇店近くは出店できる見通しで、ハイテンポでの出店には変わりはない。
サブウェイの出店形態は、サンドイッチのFFショップという位置づけで、生ハム、ターキー、ローストビーフ、ステーキ、ツナ、ベジタブルなど一二種類のサンドイッチとサラダが売りものだ。
売上げ貢献度の高い人気メニューは、サブウェイクラブ(六インチ四九〇円、フットロング八八〇円)、ツナ(三九〇円、七〇〇円)、シーフード&クラブ(四四〇円、七九〇円)、バーベキューポーク(四八〇円、八六〇円)などで、これらメニューで全体の六割近くを売る。
メニューは効率化を考えて徹底して絞り込んでいるが、フード以外にはコーラ、ジンジャエール各二〇〇円、ホットコーヒー、ホットティー各一八〇円、スープ(季節メニュー)二二〇円などを提供している。客層は一八~三五歳の男女が八割で、客単価七二〇円。イートインに加えてテークアウトの客も多く、店によっては五割のウエートを占める。
サンドイッチ商品はパンに具を挟むという単純なものなので、クッキングに熟練度を必要としない。FF商品は一般的にそうであるが、とくにサブウェイのサンドイッチは具の組み合わせのみで、メニューメークは九〇秒を基本としている。
このため、ハンバーガーチェーンのように、バーンズやパティを焼き上げる必要もないので、店舗オペレーションがよりイージーだ。ということは運営コストが低く済むということだ。
FC出店は、自己物件の場合店舗面積二〇坪で、開店資金が約二五〇〇万円と低コストだ。設備のユニット化や内外装費を最少限におさえているからで、月間売上げ六〇〇万円で、収益率(金利償却前利益)が二五・三%、賃貸店舗の場合で一七・三%と高いレベルにある。
「立地によって若干のプラスマイナスはありますが、加盟店オーナーが意欲的な店はランニングコストが低く、収益力がアップするというケースが多くあります。オペレーションがシンプルで、しかも軽装備の店舗ですから、ハンバーガーチェーンに比べても低投資でハイリターンのFCシステムといえるのではないでしょうか」(日本サブウェイFC本部)
一オーナーがすでに三、四店を出店しているというケースもある。飲食店の転業や中小企業の多角化事業といったFC出店だが、チェーン展開は東京、神奈川、千葉、埼玉など関東地区をはじめ、東海、北陸、近畿、九州、沖縄地区と全国に及んでいる。
FC契約時の加盟金は一五〇万円、開店指導料二三〇万円。店舗開設後はロイヤリティが売上げの八%、宣伝広告費二・五%。
八%のロイヤリティは日本のFCビジネスでは高いという印象だが、これは純粋な店舗支援の“コンサルティング料”で、食材など原材料にオンしてはいない数字だという。
食材のハムやパン(冷凍生地)などの主力は米国からの輸入、チーズ、野菜類は国内で調達しており、これらの仕入れについては、日本サブウェイは、直接関与していない。
つまり、本部マージンをかけていないということで、加盟店には常に安価な食材が提供できているということだ。
(しま・こうたつ)
・社名/日本サブウェイ(株)
(SUBWAY JAPA NINC)
・所在地/東京都港区赤坂三‐八‐八
・代表取締役社長/青木健
・会社設立/一九九一年10月
・電話/03・3505・0011
・資本金/四億八〇〇〇万円
(サントリー七〇%、ファーストキッチン三〇%)
・九四年度実績(12月決算)/直営五店、FC六〇店、年商三一億円
・九五年度目標/一二〇店、売上げ六〇億円