米飯新時代 全加盟店の精米データ集め価格交渉の基準に 生き残りかけノウハウ確立

1995.10.16 87号 2面

調理の中で最も難しいのが白飯と言われる。味付けをしないので嘘をつけないのである。別表は米屋から白飯になるまでの管理工程を追ったものだが「管理することは山ほどある」。逆に「うまいコメの炊き方、ノウハウさえあれば国産米一〇〇%を使う必要がない」(給食管理(株)、田村憲一社長)。そういうノウハウがないと生き残れないともいう。例えば、昔はコメが天日乾燥だったが、今は機械乾燥のため、コメそのものの含水量が多くなっている。「始めチョロチョロ中パッパ……」は通用せず、始めから強火で炊きあげている。

弁当、仕出しの(株)大江戸食品(東京都江戸川区)は一昨年のコメ騒動の時にタイ米二割の利用で食数を四〇%増やした。タイ米の混合ながらキャッチは「どこよりおいしいご飯」。谷江社長は「当時、給食管理の田村社長に炊飯ライン新設のアドバイスを頂きました。機械が違うだけでご飯の味がまったく違う。ご飯がおいしかったから食数が増えたんです」と三十数年弁当屋をやってきて「ご飯で客が取れる」ことをまざまざと体験した。

一方、弁当給食をFCで全国展開するフレッシュランチ39インターナショナルチェーン総本部(株)サンキューオール・ジャパン(新潟市、樋口勤社長)は本部システムの一環として精米、経費、肉、魚・凍菜、冷凍食品・油と品目別に各加盟店の利用価格を一覧にして配布している(別表、6月頃の価格)。「食材の価格競争は必至であり、価格交渉の基準にしてもらうため」(樋口社長)である。

日本人のコメの需要は一人年間一五〇キログラムと言われたが現在は七〇キログラムとも六〇キログラムとも言われ、コメ離れが激しい。米飯新時代幕開けにあたり、日常茶飯事の作業である炊飯方法・コメの選択をもう一度点検してみる必要がある。

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