はなまるうどん、人気高まるヘルシーかき揚げ 米粉の特徴生かしてカロリー3分の1に
讃岐うどんチェーン「はなまるうどん」全319店舗(8月28日現在)で、6月に誕生した、天ぷら粉の吸油率を従来品より47%カットすることでカロリーを約3分の1まで低減した「ヘルシーかき揚げ」の人気が高まっている。
秘訣は、米粉を配合したオリジナル天ぷら粉にある。同チェーンを展開するはなまるが、米粉製粉メーカーと共同開発したもので、本来揚げ衣にすると吸油率が約4割カットできる米粉の特徴を生かし、一層吸油率が低減できる製粉方法や調理方法を模索し、商品化に至った。
同社にとって、揚げ物の中で最売れ筋商品である「かき揚げ」の商品改定は、「かなり決断と勇気がいった」とする。だが今年4月、生命線ともいえるうどんで、1玉にレタス1個分の食物繊維を含有する「はなまる食物繊維麺」への全面切り替えを果たし、健康志向の顧客に支持を得た同社だけに、「うどんと一緒に揚げ物を食べたいが、カロリーが気になるという顧客ニーズへの対応も必須」ととらえ、今回の切り替えに至ったという。
先行して一部エリアでテスト販売を行ったところ「さくさく食感と軽い口当たりで、もう一つ手が伸びるおいしいかき揚げ」と、味に対する好評価を得たことも全面切り替えの動機となった。
というのは、商品開発に当たって吸油率低減だけでなくおいしさも重視し、素材にこだわるとともに、まんべんなく衣をまぶし揚げる際に水分を上手に抜き、揚げた後も十分油切りを行うなど、調理方法も工夫した。
結果、カロリーが高くて揚げ物を敬遠していた新規顧客はもとより、「軽くてついもう一つ」と、2個目に手を出すヘビーユーザーも出現した。標準売価は従来品と同一の137円に据え置いたこともあり、切り替えを機に約2割の売上げ増につながったという。
同社では今後も、揚げ衣や調理方法を工夫することで、他の揚げ物製品も順次米粉配合の衣に切り替える方針を固めている。結果、健康に特化した讃岐うどんチェーンの位置付けを強め、健康志向ニーズに対応するとともに、厳しい競争時代の中で差別化につなげていく考えだ。