注目商品:ニチレイフーズ「衣革命 揚げたて逸品」シリーズ
●特許技術で難題克服 コロッケ類に新機軸
冷食最大手のニチレイフーズは10月1日から、業務用調理冷食のパン粉を使うフライ商品(以下フライ商品)類で特許技術を用いた画期的な新商品「衣革命 揚げたて逸品」シリーズ3品・5規格を発売した。開発開始から約4年を費やし、従来のフライ商品が免れなかった再加熱後の品質劣化という難題を克服。需要期の秋冬に向け、満を持しての登場だ。
業務用フライ類では、コロッケ・メンチカツ・クリームコロッケを“3大カテゴリー”と位置付ける同社。蓄積してきたこれらのレシピ数は300以上にも及ぶ。中具の品質だけでなく、衣の食感にこだわり“揚げたての品質をそのままお届けしたい”をテーマに開発を続けてきた。主力販路の惣菜・デリカ売場で購入する生活者の不満点を洗い出し、このコンセプトをより強化した“揚げ調理後に冷めた状態から家庭の電子レンジで温め直しても、サクサクのおいしさが持続する”商品の開発に取り組んだ。
同社調べによると、揚げ物購入者の7~8割が持ち帰り後にレンジ調理で温め直して食べている実態が浮かんだ。さらに品質面では「揚げたてのおいしさが感じられない」「油っぽくなる」「カロリーが高そう」といった不満点もわかった。生活者の食シーンに踏み込んで得た困難な課題を、製法特許を取得する新技術の開発で乗り越えた。その特徴は(1)中具の水分を外に逃さないため、温め直しても衣のへたりが少ない(2)揚げ調理時の油の吸い込みが従来品より少なく、油の使用量を抑制でき、使用ユーザーのコストダウンにつながる(3)吸油量が少ない分、油っぽさを軽減して中具のおいしさを引き出せる–などだ。
発売までにも今までにないプロセスを踏んだ。春先からテストマーケティングを実施して販売店の意見を聞き、生活者にも持ち帰りでの試食テストによるアンケート調査を実施。従来品との品質のちがいを評価する意見を多く得たが、入念な品質調整を経て最終仕上げに至った。他商品との差別化を明確にするため、シリーズ名“衣革命”とロゴマークを商標登録した。売場で識別しやすいように、用意したシールやPOPなどに表示している。
生産は直営の森工場(北海道茅部郡)で、道産男爵芋や道産牛乳などの地場原料を用いる。既存のコロッケ製造ラインに対し、特許技術にあたる部分の設備投資を実施した。
●規格
「衣革命 揚げたて逸品」シリーズ=▽「生メンチカツ90」3600g(40個入り)/3合▽「生メンチカツ50」3kg(60個入り)/3合▽「クリームコロッケ75(かに入り)」3kg(40個入り)/3合▽クリームコロッケ50(かに入り)」3kg(60個入り)/3合▽「ポテトコロッケ50(牛肉入り)」3kg(60個入り)/3合。いずれも揚げ調理。