業務用加工食品ヒット賞 給食・惣菜部門:極洋「『だんどり上手』シリーズ」
◆調理の“段取り”を解消
極洋の「だんどり上手」シリーズは、調理における“段取り”の負担を大幅に解消する、次世代型の業務用水産冷凍食品。骨なしに加え、解凍や粉付けなどの工程を省けるほか、製造工程での魚の完全解凍時間を大幅に短縮する独自製法(特許取得)を開発、うま味流出を抑えた。さらに、市場では初となる塩分不使用を実現、メニュー化での塩分計算や栄養管理にも貢献。業務用では珍しいブランドキャラクター「だんどり~にゃ」も開発するなど、優れた付加価値と親しみやすさで病院施設などから高い評価を得ている。
同社では、13年7月に同シリーズを発表。背景には、老人保健施設や病院から「魚メニューを提供したいが、生臭い、硬いなどの理由から残食が多い」という悩みの声が聞かれたからだ。同市場は先行メーカーに席巻されており、製法の特許も取得されていたため、製品化には苦慮した。しかし、水産会社として長年培ってきた水産物の加工技術を生かし、結果として独自の製法を開発、他社との差別化を図ることに成功。顧客からは「冷めてもおいしい」「パサつかない」「生臭さが低減されている」「身全体が均一に軟らかい」などの声が寄せられている。
原料調達力を生かした、豊富なラインアップも魅力の一つ。定番のサケ、サバ、アジはもとより、カラスガレイや太刀魚、イカ(つぼ抜き)のほか、マンダイなど希少な魚種も積極的に取り入れている。今秋からは従来までの骨なし切身、骨なし皮なし、打ち粉付きに加え、焼き魚9品を追加。総アイテム数は33品。荷姿展開を含めると実に約80種を揃え、多岐にわたる味覚・形態・容量ニーズへの対応が可能だ。品質とバラエティー性の両立により、チャネル拡大へも期待が膨らむ。
主要販売先は老人保健施設や病院。販売拡大のために全国7支社に「だんどり上手取りまとめ」担当者を置き、学校給食や病院の要望に応じて、栄養士向け勉強会を開催し、調理方法を伝えるとともに、品質の高さをアピールしている。今後の販路拡大先として、外食や在宅介護市場も視野に入れている。
ひそかにブレークの兆しを見せているのが、オリジナルキャラクターの「だんどり~にゃ」。印象的かつかわいらしいネコキャラで「猫の手も借りたい」調理現場の清涼剤として話題喚起中。栄養士からの人気も抜群で、BtoC商品としては珍しい“ゆるキャラ”パワーを発揮している。
◆規格=各種(冷凍)
●赤魚の皿蒸し
作り方
(1)野菜を食べやすくカットする。
(2)耐熱皿に豆腐を入れ、その上に「だんどり上手 赤魚切身(骨なし)」をのせる。
(3)(1)を添え、酒とみりん、白だしを回しかけ、ラップをかけて電子レンジで15分加熱する。
(3)青味を添え、お好みでごま油やポン酢を少々かける。
●マンダイの竜田揚げ
作り方
(1)解凍した「だんどり上手 マンダイ切身(骨なし・皮なし)」に片栗粉をまぶす。
(2)170~180度Cの油で約5分間揚げる。
(3)だし汁にニンジン、ピーマンを入れて5分間煮る。
(4)エノキダケと醤油、砂糖を加えて煮る。
(5)水溶き片栗粉でとろみを付け(2)にかける。
●焼き魚製品
商品特徴:自然解凍するだけで、ふっくら、軟らかな食感が味わえる骨なし製品。「赤魚みりん焼き」「縞ほっけ塩焼き」「さわら西京焼き」「ぶり照焼き」「さば塩焼き」「さば照焼き」「あじ塩焼き」「あじみりん焼き」「秋鮭塩焼き」をラインアップ。
●打ち粉付き製品
商品特徴:打ち粉を付ける作業が必要ない製品。天ぷら、フライなどの調理作業が効率的になる。凍ったまま調理ができるため、身崩れがおきにくく、きれいに仕上がる。「開きいわし」「銀穴子」「骨なしかれい」「いか切身」をラインアップ。