メニュートレンド:ワインに合う進化形お好み焼き Vin樹亭
大阪・北新地で、ワインとお好み焼き、鉄板焼きを提供するのが「Vin樹亭(ヴァンじゅ~てい)」。同店でダントツの人気なのが、一般的なお好み焼きの概念を超越した「Vin樹亭焼きフロマージュ」(1620円)である。鉄板料理の臨場感と、五感をくすぐるチーズの魅力で、集客に貢献するヒットメニューとなっている。
●チーズの魅力を臨場感と五感で味わう 粉を使わずメレンゲでふんわり
磨き上げられた鉄板とズラリと並ぶワインが出迎えてくれる同店。高級感ある落ち着いた雰囲気の中で楽しめるのが、お好み焼きの「Vin樹亭焼きフロマージュ」。客のほぼ100%がオーダーするという、まさに“鉄板メニュー”だ。
「コンセプトは、進化形の“赤ワインに合うお好み焼き”。開発のため、多くの店をリサーチし、何百回もの試作をしました」と、ソムリエの資格も持つ二宮久オーナー。試行錯誤の末に誕生したのは、今までのお好み焼きとは一線を画す、おしゃれで洗練された商品。今や、北新地にある同店を表現するメニューとして、盤石の地位を確立している。
考案のヒントになったのが、粉を使用しない軟らかいタイプのお好み焼き。ベースになるタネには、キャベツと大和芋のすりおろし、卵黄を使用。さらに、卵白を泡立てたメレンゲを加えて、直径約11cmのセルクル型に入れて焼き上げる。スフレのようにメレンゲで膨らませることで、ふんわり感あるお好み焼きとなるのだ。
ベースの上にソースが塗られると、いよいよ主役のチーズが登場し、期待感も最高潮に。大量に掛けられたチーズソースが鉄板に広がり、音と香りが食欲を刺激する。チーズは、エメンタールとグリエールの2種類を同量でブレンドし、白ワインと生クリームで調味。いわば、チーズフォンデュソースでコーティングされるイメージである。
食べ方は、まず半分はそのままで楽しむのが同店流。その間に、鉄板上のチーズを加熱しておこげ状に仕上げ、残りの半分にそれをトッピングして提供する。味の変化で、風味と香ばしさの二つのおいしさを楽しんでもらうのが狙いだ。素材の魅力を、鉄板でのパフォーマンスとともに感じさせてくれる、付加価値の高い商品となっている。
同店の利用客は40代が中心。カップルや女性同士での来店が多く、ほとんどがワインとともに楽しむという。同メニューを組み込んだコースも5400円から用意し、店の味やカラーを知ってもらう機会にと、初来店客にはコースを提案している。「昔ながらのお好み焼き一辺倒ではなく、新しい味を求めるニーズは増加しています。目標は、お好み焼き=B級グルメといった格付けをアップさせること。お好み焼きだが“プチぜいたく”ができる、特別な日の会食に選ばれる店として成長していきたい」と話す。
●店舗情報
「Vin樹亭」 所在地=大阪府大阪市北区曽根崎新地1-2-24、ニューウメダビル1階/開業=2009年8月/営業時間=午後6時~11時(LO10時)。日曜定休/坪数・席数=約30坪・18席/1日平均客数=20人/平均客単価=7000円
●愛用資材・食材
「オタフクお好みソース」 オタフクソース(広島県広島市)
「お好み金紋ソース」 金紋ソース本舗(大阪府大阪市)
フルーツの香りと味が決め手
お好み焼きのベースに塗るソースとして重視したのが、フルーツの香りと味が効いた赤ワインに合う味。同店では、「オタフクお好みソース」と大阪の地ソース「お好み金紋ソース」を、7対3の割合でブレンド。全体的な味のボリューム感を出し、穏やかな酸味と甘味あるソースに調節している。
規格=各2.1kg