訪日外国人客の飲食費16年7500億円超 3年で2.6倍に
観光庁によると16年の訪日外国人客の旅行消費額は3兆7476億円(速報値)と過去最高を記録し、飲食費も7574億円と前年より2桁増で成長した。13年に2903億円だった飲食費は、わずか3年で約2.6倍に急拡大したことになる。16年の費目別では買い物代が減少したが、飲食費は増加して全体の約2割を占め、訪日客需要も物販より外食などサービスの比重が高まっている。国は20年の外国人消費額を15年の2倍超の8兆円を目標としており、飲食費も順調に伸びて費目別構成比も高まれば、規模は1兆2000億~1兆6000億円に成長すると推計できる。
16年の訪日外国人客の消費額を費目別に見ると、買い物代が1兆4261億円と前年比1.9%減だった一方、飲食費は18%増、交通費が16.6%増、宿泊費が13%増、娯楽サービス費が7.4%増だった。飲食費の構成比も20.2%と前年より1.7ポイントも高めた。
1人当たりの旅行支出でみると、16年は全国籍・地域で平均宿泊日数10.1泊、支出額15万5896円と前年より11.5%減と落ち込んだが、飲食費は3万1508円と3.1%の微減にとどめた。訪日客数が多い中国が18.4%減と最も減少幅が大きかった。国別では宿泊日数が多いベトナムが5万4180円と最も高く、宿泊日数の少ない韓国が1万7847円と低かった。
国は東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開かれる20年に訪日外国人客数で15年の約2倍の4000万人、30年には6000万人、消費額も15年の4倍超の15兆円を目標にしている。飲食費も同様に伸び、構成比も2割以上を確保すれば、30年には2兆5000億~3兆円にまで拡大が見込める。
16年の消費額は、17日公表の観光庁の訪日外国人消費動向調査16年年間値速報による。