焼肉店の新戦略 「焼肉トラジ」6次産業に本腰 埼玉県にトラジ・ファームを設立
●武州和牛(A5等級)を初出荷
「焼肉トラジ」(61店舗)は2015年10月、肉用牛(黒毛和牛)を肥育するトラジ・ファーム(埼玉県児玉郡神川町)に設立し、焼肉の6次産業化に乗り出した。その第1頭目となる武州和牛(埼玉県産黒毛)が出荷され、このほど東京・新橋店に関係者約50人を集め披露試食会を催した。
「太郎」と名付けられた記念すべき1頭目は、A5等級、BMSナンバー12の最高ランクを獲得。脂質、サシ、ミートカラーの全てが理想的かつ歩留まり約80%という最高ランクに仕上がった。この肥育を皮切りに繁殖にも着手。「繁殖→肥育→出荷→焼肉提供」の6次産業モデルを構築し、月間5~6頭の出荷を目指す。
金信彦社長は「究極の牛肉を突き詰めた際、自分たちで育てた牛を提供したいという強い使命感が生まれた。自ら畜産に携わることで、品質の育成と安全安心の担保を学び、畜産業と焼肉業界がシナジーを発揮できるよう努めたい」と語り、「構想段階から指導いただいた東京農業大学農学部畜産学科・信岡誠治教授、武州和牛組合・塚田正行氏(塚田牧場)をはじめ関連各者さまに深く感謝する」と述べた。