アポなし!新業態チェック(153)「カレー屋ボングー」NEWoMan新宿店

2020.05.04 495号 11面

 ●新宿駅エキソトにグルメカレー ファッション系フード企業の新業態

 ハンバーガーの「J.s.BURGERS CAFE」やロブスターロール(サンドイッチ)専門店「LUKE’s」など、多業態を展開するフレーバーワークスが、東京・新宿にグルメカレーの新業態「〓〓(カレー、口へんに加、口へんに厘)屋ボングー」をオープンした。

 同店が出店したのは、JR新宿駅の頭上にそびえるミライナタワー内の商業施設「NEWoMan(ニュウマン)新宿」のエキソト部分。新宿駅を貫く幹線道路である甲州街道に面して、大型バスターミナル「バスタ新宿」の真下にあたる。

 「(口へんに加)(口へんに厘)屋ボングー」は、“洋食歴40年のシェフが作る”ぜいたくなグルメカレーというコンセプトの高級カレー専門店だ。フランス料理の手法で作られたデミグラスソースをベースにしたカレーは、どこか懐かしい洋食の味。ライスには厳選したあきたこまちを使用している。

 シンプルに絞り込まれたメニューは、まずベースとなる「ビーフカレー」(1200円)。それに、軟らかく煮込んだ牛ほほ肉を加えた「贅沢ビーフカレー」(ビーフ150g・1600円、300g・2400円、450g・3200円)が看板だ。さらに、分厚い豚カツがのった「カツカレー」( 1600円)や、牛肉と豚カツ、ゆで卵を添えた「ミックス贅沢ビーフカレー」(2100円)など。飲み物は「コーヒー」(450円)、「自家製ラッシー」(480円)などのほか、ビールやワインも用意。

 店頭のテイクアウト窓口では、「ビーフカレーパン」(400円)や「チキンカレーパン」(350円)を販売するなど、カジュアルな使い勝手も考慮した新業態が登場した。(価格はすべて税抜き)

 ★けんじの評価 高級スイーツ店の撤退跡地で成功をつかむか

 フレーバーワークスは、ファッション専門店チェーン「JOURNAL STANDARD」などを運営するベイクルーズのグループ会社だ。ベイクルーズは1977年の設立。ファッション衣料から出発し、家具やフィットネスなどライフスタイル関連事業を多角的に展開している。2000年からスタートした飲食事業の規模が拡大したため、17年にフード関連事業を手掛ける独立した運営法人としてフレーバーワークスが設立された。小売店を中心にした同社グループ全体の店舗数は500店舗近いが、その中でフレーバーワークスの運営するフード系店舗は90店舗ほどを占める。アパレル系の企業グループが展開する外食ビジネスとしてはかなり成功しており、多くの同業他社から注目が集まっている。

 同店のカレーは、大きな皿に盛られたライスとは別に、耐熱ポットに入れて熱々の状態で提供される。カレーをポットごとオーブンで温めているのかと思ったが、作業を見ていると、ポットだけをオーブンで温め、そこに保温ジャーに入れておいたカレーを注いで提供しているようだ。なるほど、うまいやり方だなと感心した。筆者はフレーバーワークスのハンバーガー店などをよく利用するのだが、大手の外食チェーン企業などと比べても、店舗運営とメニュー品質のバランスがよい店が多いように感じる。

 同店は、16年日本に初上陸したシンガポールのスイーツ店「ジャニス・ウォン」が出店していた区画に開業した。もちろん出店条件の緩和などもあったのだろうが、難しい立地で同社の実力が試される新業態であるのかもしれない。

 (外食ジャーナリスト・鷲見けんじ)

 ◆鷲見けんじ=外食チェーン黎明期から、FFやFRなどの動向を消費者の目線で見続けてきたアンチグルメな庶民派ジャーナリスト。顧客の気持ちを外食企業に伝えるべく、甘口辛口を取り混ぜた乱筆乱文でチェーンの新業態をチェック。朝マックとロイヤルホストのカレーフェアをこよなく愛する外食ウオッチャー。

 ●店舗情報

 店名=「〓〓(カレー、口へんに加、口へんに厘)屋ボングー」NEWoMan新宿店

 開業=2020年2月27日/所在地=東京都新宿区新宿4-1-6 NEWoMan新宿2階 エキソト

 編集協力:株式会社イートワークス

 http://www.eatworks.com/

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