メニュートレンド:豚ショウガ焼きバージョンアップ 厚切りキャベツのせでビジュアル一新

2020.09.07 499号 16面
厚切り豚生姜 850円(税込み)

厚切り豚生姜 850円(税込み)

従来の「豚ショウガ焼き定食」とは異なる雰囲気が魅力

従来の「豚ショウガ焼き定食」とは異なる雰囲気が魅力

約2kgの豚肩ロース塊肉1本につき約10人前分。塊肉3本を週に2~3回、仕込むという。注文が入ったら切り分け、温かい状態で提供するのもポイント

約2kgの豚肩ロース塊肉1本につき約10人前分。塊肉3本を週に2~3回、仕込むという。注文が入ったら切り分け、温かい状態で提供するのもポイント

アイデアが加わった創作和食が自慢の居酒屋

アイデアが加わった創作和食が自慢の居酒屋

 居酒屋ランチでは定番メニューになっている「豚ショウガ焼き」だが、居酒屋「新宿 六」の「厚切り豚生姜」はあの定番のビジュアルを一新させた、「なるほど、そう来たか」と膝を打つ一品だ。低温調理した豚肉をトンテキ風の厚切りにし、千切りキャベツを、大胆にも肉の上にのせて提供。コロナ禍で苦戦を強いられた時期にあっても、1日15人前を売り上げるという新タイプの豚ショウガ焼きである。

 「新宿 六」の「厚切り豚生姜」は、今年2月から週替わり定食の一つとして提供を開始したところ大好評。ランチ、夜のレギュラーメニューに即昇格し、一番人気の「唐揚げ定食」を超える名物ランチに定着した。

 トンテキ風の豚肉は、約2kgの豚肩ロース塊肉を醤油とみりんの汁に漬けて下味を付け、低温調理器を使って66℃の温度で4時間程度加熱する。同店の小林秀明総料理長によると、「試作を繰り返して、火が通り過ぎず、ジューシーに仕上がるこの温度と加熱時間に行き着いた」そうで、1回につき約2kgの豚肩ロース塊肉を3本、週に2~3回ぐらい仕込むという。

 作り置きした豚塊肉は冷蔵保存し、ランチが始まる前に弱火の湯煎で火を通さない程度に温めておく。注文が入ったら、温かい状態の豚肉を厚さ約2cmに切り分け、ショウガ醤油のタレをかけて提供。仕上がりは中がジューシーな出来たてのチャーシューのような印象で、歯触りは軟らかく、食べ応えがある。それでも味わいは、誰もが親しむ豚ショウガ焼きだ。「みんなが大好きな豚ショウガ焼きを、もう一ひねりできないかと考案しました」と小林総料理長は話す。

 豚ショウガ焼きの名脇役である千切りキャベツが豚肉の上にのっているのもユニークだ。「お膳の上に収まるサイズの皿の上では、豚肉に千切りキャベツを盛るスペースがなかったから(笑)」と、小林総料理長。意図せずして生まれた盛り付けの妙というわけだが、このビジュアルだからこそ、おなじみの豚ショウガ焼きをイメージするお客にとっては驚きがあり、印象に残る。豚ショウガ焼きのセオリーを守りつつアレンジを利かせ、定番の人気料理でありながら同店でしか食べられない一皿にバージョンアップさせたのが、見事だ。

 ●店舗情報

 「新宿 六」 経営=SECOND/店舗所在地=東京都新宿区新宿6-4-2 コスモス新宿18Mビル1階/開業=2019年11月/坪数・席数=12坪・22席/営業時間=11時30分~15時、17時30分~24時。日曜休/平均客単価=昼850円、夜4000円/1日平均集客数=昼40~50人、夜10人

 ●愛用資材・食材

 「液体塩こうじ」 ハナマルキ(長野県伊那市)

 しっとりジューシーに揚がる

 同店のもう一つの人気ランチ「唐揚げ定食」の唐揚げは、鶏もも肉を「液体塩こうじ」に漬けてから揚げている。「鶏もも肉を同品に漬けると、肉質が軟らかくなり、肉のうま味を引き立てるナチュラルな甘さが加わる。揚げると、ジューシーでしっとりと仕上がるんですよね」と、小林総料理長は感心する。

 規格=500ml

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