愛用食材と調理技術:岡田屋本店「特注木綿豆腐」 麻婆豆腐専用の存在感ある品
●湯通しして味を入れる
2014年に大阪・北新地にオープンした同店で、ほとんどの客がオーダーする看板メニューが「最強麻婆豆府」。辛さだけではなく、辛・酸・甘・痺のバランスがとれたメニューだ。
「味を追求していく中で悩んだのが、豆腐との相性。タレと合わせると、普通の豆腐ではその味を感じなくなってしまう。麻婆の味に負けない、主役としての存在感のある豆腐を特注したいと考えました」とオーナーシェフの高橋秀栄さん。
そこで、空堀商店街の豆腐店、岡田屋本店の店主に相談。料理の素材として使うことで完成する“含み”のある豆腐が欲しいと話し合いを重ね、試行錯誤の末に生まれたのが、麻婆豆腐専用の木綿豆腐。味が濃いめでもっちり感があり、加熱して味が入ることでより引き立つのが特徴だ。
調理では、豆腐をさいの目に切り、塩を入れたお湯で軽く湯通しして使用。このひと手間で、余分な水分が出て味を吸う余地ができ、煮崩れもしにくくなる。また、粘りのある軟らかい食感に仕上がるという。
「メニュー名の“最強”は、最強に味の記憶が残るという意味。食材の作り手に支えられている心強さをバネに、今後も“最強”を目指したい」と高橋さんは語る。
●「特注木綿豆腐」 岡田屋本店(大阪市中央区)
●店舗情報
「中菜Labo.朝陽(ちゅうな らぼ ちょうよう)」
所在地=大阪市北区堂島1-3-8 堂島リンデンビル地下1階