メニュートレンド:デカ盛り唐揚げ丼 みんなに愛されるアイデア その手があったか!?
「あなたは本当においしい唐揚げを食べたことがありますか?」と問いかけられたら、多くの人は「どうだろう?」と答えに窮するだろう。これまで数えきれないほど食べてきた唐揚げについて抱いた素朴なギモンが、一口食べたら雲散霧消するのが「唐揚げ一筋」の「デカ盛り唐揚げ丼」だ。
唐揚げと出合う場面は多い。定食屋、居酒屋、専門店、お弁当屋、スーパーの惣菜から家のご飯のおかずまで、唐揚げは至るところで見かける。
それくらい食生活に浸透している唐揚げだが、「唐揚げ定食」や「唐揚げ弁当」はあっても、唐揚げの「丼物」はかなりレアだ。唐揚げとライスは別盛りにするのが一般的で、ライスの上に唐揚げはのせない…というのが暗黙のルール。カツ丼、親子丼、天丼はアリだが、「唐揚げ丼」という発想は独創的だ。
「人がやらないことをやりたかった。その方が面白いでしょ」と劉喜志店主は話す。2016年の開業時、「唐揚げ一筋」という店名にふさわしい看板メニューを考えたときに思いついたのがこのメニュー。
ライスを盛った丼の上に唐揚げをのせるだけで見た目が変わり、他店にはないオリジナリティーのあるメニューになる。しかもオペレーションは唐揚げ定食とほとんど変わらない。
「デカ盛り唐揚げ丼」が人気なのは、もちろん見た目だけではない。メニュー名の通り“デカ盛り”も人気の理由。1個の唐揚げが、これまたデカイ。1人前に鶏もも肉400g分の唐揚げが、丼からこぼれんばかりにのっている。「うちの唐揚げは、1個がビッグサイズで、1人前に6~8個の唐揚げをのせています」。
一晩、漬け込むタレは醤油、酒、ニンニク、ショウガとベーシックだが、その配合が同店のオリジナルで門外不出。誰が食べても「これが唐揚げの味」と納得できる。「見た目は他店にはないものを、味は誰からでも愛される、何度食べても『また食べたい』と思っていただける味を目指しました」。
外食、中食、内食でおなじみの唐揚げを、同メニューは「本当においしい」という極みにまで格上げした逸品だ。
●店舗情報
「唐揚げ一筋」
所在地=東京都港区赤坂3-20-9 岩澤ビル2階/開業=2016年/坪数・席数=12坪・25席/営業時間=11時~15時、17時~23時。日曜休/平均客単価=昼950円、夜2000円/平均集客数=40人
●愛用食材・資材
「高級割烹 しょうゆ 本膳」ヒゲタ醤油(東京都中央区)
“本当においしい” 唐揚げの味のベース
厳選した原料を独自の製法で仕込み、色、味、香りのバランスがととのった超特選濃口醤油。「この醤油をベースにしたタレに漬け込んだ唐揚げは、醤油の味と香りはしっかりしていますが、しょっぱくはない。価格は高めですが、本当においしいものを提供するためには値段で妥協はしません」と劉店主。
規格=1.8L