多忙でも読める外食ニュース
●トリドール出資の米企業がカナダ出店
トリドールホールディングスは、2018年に同社グループに加わった米国の外食企業Beyond Restaurant Group(以下、BRG)を通じて、BRGのハワイ料理ブランド「Pokeworks(ポケワークス)」をカナダ・トロントに出店した。同ブランドは、ハワイのローカルフードとして知られる「ポケ」をメインとしたセルフサービスのカジュアル業態。2015年にスタートし、現在は米国やメキシコなどに70店舗以上を展開している。
解説=外食各社の海外進出が盛んだが、トリドールグループでは国内自社ブランドの海外展開だけではなく、海外の有望な外食企業を傘下に置き、海外で店舗展開する方針を積極的に打ち出している。今回の店舗はカナダ企業が運営。
●アパレル系Bクルーズ イタリアンの新業態
衣料品から飲食までを幅広く展開するベイクルーズが、イタリアンの新ブランド「POPOLNA(ポポルナ)」を東京・中野に出店。同社の事業はファッション衣料品が中心だが、早くからフード関連の展開も進めており、現在はバーガー店やカフェ、ベーカリーをはじめ、サラダやカレーの専門店など、幅広い業態を100店舗近く出店している。今回の店舗はパスタやピザのほか、パンケーキやケーキなどを提供するカジュアルなカフェ。ベーカリーとして自社製造のパンも販売する。
解説=同社の事業は衣食住に加え健康分野などまでライフスタイル全般に対応する。しかし、食関連ブランド全体が100店舗程度というのは微妙な規模といえるかもしれない。同社は2021年、各分野の子会社7社を本社に統合した。
●都市計画「麻布台ヒルズ」 35年を経て23年11月開業
東京・港区の8haを超える計画区域に、森ビルが新しい都市計画プロジェクト「麻布台ヒルズ」をオープンさせた。計画内の建物の延床面積は86万平方m超で、「六本木ヒルズ」の開発区域約12ha、延床面積およそ80万平方mに匹敵する規模となる。商業ゾーンには約150店舗が入居する予定で、飲食では三國清三氏がプロデュースするレストランなど、海外でも評価の高い料理人の店が多数出店する。計画内の住宅戸数は約1400戸、オフィスの就業人口は約2万人を予定している。
解説=地下鉄の六本木一丁目駅と神谷町駅の間を結ぶ壮大な計画だが、11月末の開業時点では100店舗弱のテナントしかオープンしていない。高級ブランドなどを含めた全館が機能するのは2024年1月以降になる予定だ。
●ダスキンが北関東 ローカル企業買収
ダスキンは、北関東を中心にイタリアン「ナポリの食卓」などを展開するボストンハウスのグループ企業を買収すると発表。同グループの管理統括会社である健康菜園の全株式を取得し、ボストンハウスの各店舗に食材を供給している子会社も含めて完全子会社化する。同グループは群馬県桐生市に本拠を置き、郊外型の独立店舗である「ナポリの食卓」13店舗のほか、数ブランドを出店している。ダスキンはフランチャイズ展開も視野に入れ、今後10年で50店舗の出店を目指すという。
解説=これまで健全な経営を行なってきた小規模なローカル外食企業も、コロナ禍により将来を厳しく見据えるようになった。M&Aの仲介エージェントが外食分野でも活発に動いており、こうした規模の買収案件は増えていくだろう。
●外食アワード2023 20周年特別賞ほか発表
外食産業記者会が2023年の「外食アワード」受賞者を発表した。外食事業者からは、16年よりゼットンの社長を務める鈴木伸典氏と居酒屋「新時代」がヒットしたファッズの創業者の佐野直史氏。中間流通・外食支援事業者では、三菱食品の執行役員・佐藤達也氏と鈴茂器工の社長・鈴木美奈子氏。食材事業者としてサントリーホールディングス副社長の鳥井信宏氏。また、「5類移行」「エッグショック」「4ケタラーメン」など、23年の外食を象徴するキーワード6つが選ばれた。
解説=今回は、ほかに同賞の創設20周年を記念する特別賞が設けられ、際コーポレーションの中島武氏とグローバルダイニングの長谷川耕造氏という業界の重鎮二人が受賞した。いずれも創業者であり、現在も組織を指揮している。
●スシロー海外136店 インドネシアに初進出
「スシロー」がインドネシアに初進出した。出店はジャカルタのショッピングモール内で、現地法人を通じた直営。日本を含め、8つ目の国・地域への出店であり、海外136店舗目となる。同社の海外展開は2011年から。
●ゼットンが出店 国立博物館に和食店
公共施設内の店舗運営を得意とするゼットンが、福岡県にある九州国立博物館に和食レストラン「いい乃じ」を出店。同ブランドは東京・日本橋にもあるが、同店は九州の食材を使用するのが特徴。隣接したテラスに足湯も設置。
●あみやき亭、名古屋にハイクラス新業態
焼肉「あみやき亭」を展開するあみやき亭は、新業態「和牛焼肉 百名山」を愛知県名古屋市に出店。カジュアルな従来の「あみやき亭」よりも上質の牛肉を取り揃え、カウンター席やボックス席、個室、宴会席などを備えた高単価なブランドとなる。
●「磯丸水産」展開のSFPが焼きとん新店
クリエイト・レストランツ・ホールディングスのグループで「磯丸水産」などを展開するSFPホールディングスは、新業態の大衆酒場「焼きとん ふく助」を東京・池袋に出店した。豚肉の串焼きや豚足など、豚肉料理をメインにした居酒屋業態。
●安楽亭創業60周年 新ロゴマーク導入
創業60周年を迎える焼肉の「安楽亭」がロゴマークを刷新。12月にリニューアルした東京・多摩永山店から新しいロゴマークを使用する。また、この変化を伝えるキャッチフレーズとして「妬けちゃう焼肉」を採用し、店頭などに掲示している。
●セサミストリートの公式ショップ開業
カフェや物販などを複合した「セサミストリート」のオフィシャルストアが、東京・池袋の商業施設にオープン。カフェではキャラクターのドーナツなどを販売する。運営は、ファッションやコスメなどのブランドを展開するマッシュスタイルラボ。
●スープストックT、白馬リゾートに出店
スープストックトーキョーが、白馬のスキーリゾートに長野県で初めての店舗を出店。白馬岩岳マウンテンリゾートの運営会社が、山頂にある飲食施設内にフランチャイズ契約で店舗を運営する。同リゾートは冬季だけではなく夏季も営業している。
●東大病院内に「やよい軒」出店
プレナスが展開する定食店「やよい軒」が東京大学の附属病院に出店。同ブランドとしては初の医療施設内の店舗となる。また、ブランドのロゴマークやシンボルマーク、キャッチフレーズなどを一新。12月にリニューアルする東京・錦糸町の店舗から順次切り替える。
●六厘舎、ラーメン店の支援事業
つけめん店「六厘舎」などを運営する松富士食品が、麺やスープなど食材の供給やラーメン店・つけめん店の新規開業を支援するライセンス事業をスタート。フランチャイズ方式ではないので加盟金やロイヤルティーは徴収せず、今回は関東1都6県と静岡県に限定して募集。
●牛角、横浜の店舗でノロウイルス検出
「牛角」の神奈川・横浜の店舗で昨年11月に食中毒が発生。腹痛などの症状が出た21人の来店客のうち8人からノロウイルスが検出された。運営するレインズインターナショナルによれば、当該の店舗からはノロウイルスは検出されていないという。
編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)
http://www.eatworks.com/
※記事は一部の固有名詞を省略